冬の月

     ○冬の月いのちを共にして円し
(ふゆのつきいのちをともにしてまろし)
いのち
 今月の満月は4日だった。瀬戸内寂聴さんが95歳でまた新しい本を出版されたそうだ。「いのち」というタイトルらしい。95歳が命について考えるなんてたいしたもんだ。
 自分はペンを持って死にたいと思っているが、どうやらそれが適う気がしているというのである。95歳で原稿用紙に万年筆の達筆な文字を走らせていた。女流洋画家の入江一子は百一歳で大きなキャンパスに向かって絵を描いているし、長生きをみんな競っているようだ。しかし何らかの仕事をしながらである。