冬の蝶

     ○失せ物はいつもの所冬の蝶
(うせものはいつものところふゆのちょう)
物忘れ
 炊事場に立ってゐると白い蝶が一匹ひらひらと上下しながら飛んでいた。ああ「冬の蝶」だな、すぐに俳句の季語が頭をよぎったのである。昨夜は月の出も早く十四日の月が明るく美しかった。「冬の月」もいいな。今日は残念ながら曇ってしまったが、今日一日のテーマは「冬の月」ということになるのだろうか。
 そうそう失せ物であったが、今までたいがいの物は後刻または後日にでも出現していたのだろう、例え出てこなかったとしても何を探していたのか既に忘れているのだから。