枇杷の花

     枇杷の花此処に独りの縁かな
びわのはなここにひとりのえにしかな)
此処にいる不思議
 隣の空き地に誰も気にかけない枇杷の木がある。それに今年も花をつけている。かってわが家の庭にも種ばかりの小さな実のなる一本の枇杷の木があったが、春夏秋冬葉がよく落ちていつも落ち葉焚きを余儀なくされていたものだ。此処に居を定めてから45年にもなるなだなと、あらためて思う。寿命の半分近くをここで暮らしてきたことになるが、三界に家無しという感慨である。この45年の間に木から落とした葉を集めるとどれほどの嵩になるのだろう。