われから

     ○藻の虫のわれから鳴くと吾知りぬ
(ものむしのわれからなくとわれしりぬ)
写真は藻にいるわれから
       ○朝の汁われから一つ浮いてをり   秋甫
       ○われからの節の痛みに鳴きけりや  々
       ○われからに神の恵みの藻豊穣    々
われからは海洋に生息する小型の甲殻類で、藻に漂着して食料にしている。
 この「われから」について調べてみると
   ○海人の刈る藻に住む虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ 
                      藤原直子(なおいこ)古今807
 「われから」は平安の昔から知られていた海の生物だったということです。そんなに昔から「われから」は知られていたのかと思うと、また一層哀れを感じるというものです。