○一軒の周り墓なる彼岸入り
(いっけんのまわりはかなるひがんいり)
墓参り
○彼岸寒村にお墓の多かりき 秋甫
○彼岸雨お墓の村に水いらず 々
○傘かざし線香守る彼岸墓 々
正岡子規の句に
○毎年よ彼岸の入りに寒いのは 子規
が、あるが、作者によると母親が言った言葉をそのまま句にしたそうである。今年も、雨が降りやっぱり寒い彼岸になっている。
絵画教室の二階から見ると、下は広範囲にかなりの墓が群れて立っているのである。雨に濡れた墓石の頭はそれぞれに光沢を放って上から眺める景色はちょっと異様な感もあったが、その中に一軒だけ普通の住居が存在していた。住人に言わせると墓の中に家を建てたのではなく、墓が後から家の周りに建ったそうである。