蔦紅葉

     ◦シグナルに哀れな恋の蔦紅葉
(シグナルにあわれなこいのつたもみじ)

 「ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、
  さそりの赤目が 見えたころ、 
  四時からけさも、やってきた。
  遠野の盆地は まっくらで、
  つめたい水の 声ばかり」
                宮沢賢治

 秋の気配に包まれると決まって宮沢賢治の作品を思い出し繙く時期があった。