来るものと往くもののいて鳥渡る

 
県境の峠を越えて香川県に入ると、明るい讃岐平野が拓けます。国道32号線から離れて「讃岐財田」「黒川」「塩入」と鈍行の各駅は長閑な田園に囲まれていました。
     ◦芒より高きホームの無人
     ◦薄の陽駅の自転車暖める
     ◦土手の陽を恃みてむじゃき吾亦紅
     ◦泡立草切り倒されてまた長し
 われわれは朝8時半に阿波池田の駅をスタートして、晩秋の早い午後の陽が傾き始めたころ土讃線の終着駅「多度津」に到着しました。

 操車場の見える駅の構内に車を止めて、少し遅くなった昼食です。
 途中財田の道の駅でうどんを間食していたので、(余談を申せばここのうどんはいただけません。150円と値段は手頃なのですが、肝心のうどんは今一)
折角の讃岐だからもう一軒うどん屋に入るつもりをしていましたが、駅のパン工房のパンも美味しそうだったので作ってきた珈琲とそのパンで車中食としました。
     ◦黒鉄の桟橋に立つ冬茜
     ◦操車場見下ろせば冬茜燃ゆ
     ◦冬茜終着駅は始発駅
 この「各駅停車の駅を訪ねて」を始めたのは先月のこと、高知「窪川」〜
徳島を通り香川「多度津」まで61の駅を探してきました。遊び序でに徳島線よしの川ブルーライン高徳線牟岐線阿波室戸シーサイドライン)最後は予讃線と、今も駅が我々に与えてくれる郷愁を求めて探訪したいと思っています。