2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒月

○四辻に猫の待ち合ふ寒の月 (よつつじにねこのまちあふかんのつき) ○干池のブラックホール寒の月 秋甫 ○寒の月金波銀波と波の上 々 ○寒満月森に一筋けもの道 々

蒲団干す

○干し蒲団日暮れは早き山の庭 (ほしふとんひぐれははやきやまのにわ) ○菜を寄せて蒲団干したる山暮らし 秋甫 ○干し草の匂いの中に蒲団干す 々 ○大根と同じ竿干す蒲団かな 々

笹鳴

○笹鳴きや休耕田の藪つづく (ささなきやきゅうこうでんのやぶつづく) ○笹子鳴く茂みに猫のしのび足 秋甫 ○笹鳴きや日向に座る老ふたり 々 ○笹鳴きに誘われ異界のぞきみる 々

寒の水

○顔洗い菜を洗いして寒の水 (かおあらいなをあらいしてかんのみず) ○暖かき噴井汲む日や寒の水 秋甫 ○石鎚の寒九の水を汲み帰る 々 ○寒の水ふんだんに掛け魚捌く 々

雪催

○雪催鯒鍋に決め具を揃ふ (ゆきもよいこちなべにきめぐをそろふ) ○雪催犬のはやりて吠えにけり 秋甫 ○焼餅を手に返しをり雪催 々 ○雪催ペダル立ち漕ぐ下校の子 々

○一片の雪にも神の真意かな (ひとひらのゆきにもかみのしんいかな) ○一瞬の雪の結晶交わりぬ 秋甫 ○雪見酒までには遠き雪の降る 々 ○雪降って喜ぶ心残りをり 々 「雪は天から送られてきた手紙である」 中谷宇吉郎 「詩」 積もった雪 金子みすゞ The upper …

初天神

○牛撫でて冷たき頭初天神 (うしなでてつめたきあたまはつてんじん) ○初天神絵馬の志望校絞られて 秋甫 ○梅の香の匂袋や初天神 々 ○べっ甲の飴懐かしき初天神 々 漸くブログの引っ越しが完了しました。第一希望の「eeyannkaの日記」を初期から引き継げたこ…

枯葎

○枯葎出て来た猫にすり寄られ (かれむぐらでてきたねこにすりよられ) ○通行止め二か所曲がって枯葎 秋甫 ○枯葎舗道は犬に取られけり 々 ○紅花の魅惑に負けて枯葎 々 散歩の途中川沿いに椿の花が咲いているのだ。以前にもそこの赤い椿の花を勝手に貰ってい…

水仙

○水仙の絵てがみ貰う白やぎさん (すいせんのえてがみもらうしろやぎさん) ○水仙のまっすぐ咲くや斜陽かな 秋甫 ○真夜中の水仙の香に徘徊す 々 ○水仙や海の白波うねる濤 々 昨年末から近所の友人は腰を痛めてコルセットを嵌め家の中でモゴモゴしているとい…

冬深し

○冬深し漬物の石沈みけり (ふゆふかしつけもののいししずみけり) ○冬深し珈琲はストーブの上 秋甫 ○今朝の麺麭こんがり焼けて冬深し 々 ○冬深し獣らの穴の闇深し 々 漬物類は寒い時期がもっとも美味しい。大量の野菜が届いた時はいそいそと漬物にする。楽…

大寒

○大寒や朝の着替えによろめきぬ (たいかんやあさのきがえによろめきぬ) ○大寒や天覧相撲に遠藤から 秋甫 ○大寒や歯医者の椅子にうがい水 々 ○大寒の道腰痛の友来る 々

千両

○千両の実の輝けば陰の射す (せんりょうのみのかがやけばかげのさす) ○千両の実に陰このむ性(さが)もあり 秋甫 ○千両の赤き実の雨集めをり 々 ○千両の実の愛おしく重なりぬ 々

日脚伸

○抜歯する椅子にガラスの日脚伸 (ばっしするいすにガラスのひあしのぶ) ○終えて出る試験机に日脚伸ぶ 秋甫 ○日脚伸ぶ午後の光の豊かにも 々 ○蛍雪の苦は秘めてまた日脚伸ぶ 々 センター試験が始まっている。 Wくんは試験場の自分の机にいるはず。 どうか平…

冬菜畠

○寒冷紗めくってみたき冬菜畠 (かんれいしゃめくってみたきふゆなばた) ○深窓の令嬢のごと冬菜かな 秋甫 ○冬菜もらって煮たり漬けたり活気づく 々 ○冬菜漬け廊下の隅を乗っとらる 々 ようこそ。[eeyannka's diary] へ 2010年の10月より始めた「eeyannkaの…

冬銀河

○冬銀河受験勉強する窓辺 (ふゆぎんがじゅけんべんきょうするまどべ) ○見上げればこみあぐるもの冬銀河 秋甫 ○瞬きて吾に頷く冬の星 々 ○満天の星凍らせて月耐えし 々

松過ぎて

○松過ぎて雨の一日を寛ぎぬ (まつすぎてあめのひとひをくつろぎぬ) ○松過ぎぬ心を入れて痩せること 秋甫 ○松過ぎし雨に鴉の濡れてをり 々 ○松過ぎて友の病の癒えぬまま 々 年末にパートナーが新しい体重計を買ってきた。そのうえ毎日の体重を記入する表ま…

どんど焼

○どんどの火初夢の字の舞上がる (どんどのひはつゆめのじのまいあがる) ○どんど焼きみかん焼く子に餅焼く子 秋甫 ○どんど火のぱあと上がればわあと逃ぐ 々 ○左義長の竹パンパンと佳境かな 々 正月の風物詩もどんどん消えていく、どんど焼もその例に漏れな…

寒夕焼

○寒夕焼神の祠の奥の闇 (かんゆうやけかみのほこらのおくのやみ) ○冬夕焼お店ごっこの具を仕舞う 秋甫 ○寒夕焼いろいろあって公園住まい 々 ○公園のベンチの男寒夕焼 々

寒卵

○白めしの湯気に落とすや寒卵 (しろめしのゆげにおとすやかんたまご) ○寒卵貰って野の草買いにけり 秋甫 ○寒卵呑んでラグビー観戦す 々 ○寒卵雨降って力余すや 々

煮凝

○煮凝の琥珀に埋まる目玉かな (にこごりのこはくにうまるめだまかな) ○煮凝て一枚の皿輝ける 秋甫 ○煮こごりの口に入れれば空しけり 々 ○ジュレというファッショナブルな煮凝も 々

寒四郎

○寒四郎九郎とつづく野の叫び (かんしろうくろうとつづくののさけび) ○寒九郎ちんから峠飛んで行け 秋甫 ○ペチカの唄ピアノに歌う寒夜かな 々 ○悲しみはライムライトを聞く寒夜 々

寒灯

○寒灯港に遠く船の上 (かんともしみなとにとおくふねのうえ) ○沿岸に製紙の街の寒灯 秋甫 ○わが家の寂しからんや寒灯 々 ○寒灯消して独りのしじま哉 々

年神

○年神に窓を叩いて起こされし (としがみにまどをたたいておこされし) ○年神と雀の庭へ舞降りぬ 秋甫 ○年神の今年も米を送るという 々 ○ふくよかな女人年神来たりけり 々

冴える

○月冴えて金星人と握手する (つきさえてきんせいじんとあくしゅする) ○ジャムを煮る窓より海の冴えにけり 秋甫 ○今朝の冴え職得しという吉報あり 々 ○今朝冴えて一つの重荷下ろしけり 々

青木の実

○青木の実おらおらでひとり生ぐるも (あおきのみおらおらでひとりいきるも) ○青木の実独り暮しを葉に隠す 秋甫 ○声出せばきっぱり物言う青木の実 々 ○青木の実シベリウスなど聞いてゐる 々

七種粥

○七種粥のごとき平成を閉ず (ななくさがゆのごときへいせいをとず) ○七草の薺は風に揺れてをり 秋甫 ○四人から一人になりて薺粥 々 ○薺かゆ粥好きは奈良の茶粥で 々

七種粥

○七種粥のごとき平成を閉ず (ななくさがゆのごときへいせいをとず) ○七種の薺は風に揺れてをり 秋甫 ○四人から一人になりて薺粥 々 ○薺粥かゆ好きは奈良の茶粥で 々 Eテレでウィーン・フィルの「ニューイヤーコンサート」を聞く。演奏はもとよりこのウィー…

賀状読む

○親友から五十五枚目の賀状かな (しんゆうからごじゅうごまいめのがじょうかな) ○印刷に今年限りという賀状 秋甫 ○かな釘の字も二三枚賀状読む 々 ○一枚の賀状に写るあゆみ哉 々

賀状読む

○親友から五十五枚目の賀状かな (しんゆうからごじゅうごまいめのがじょうかな) ○かな釘の字も二三枚年賀読む 秋甫 ○印刷に今年限りという年賀 々 ○一枚の賀状に写るあゆみ哉 々 高校からの友人がゐて彼女とは50年以上の親交がある、年賀状もその歳の分だ…

初夢

○初夢の追いかけて来ることもなく (はつゆめのおいかけてくることもなく) ○初夢に味噌買うて二百五十九円 秋甫 ○初夢のぼんやりぼけて怖くもなく 々 ○初夢を風が攫ってしまいけり 々