○桜咲く奈良の都に鹿と住む
(さくらさくならのみやこにしかとすむ)
○朝ざくら四人部屋なる女子大寮 秋甫
○朝ざくら鹿の貌ぬっと窓にゐて 々
○夜桜や寮に机とベッドのみ 々
「おひとりさまの老後」もうすでに後期高齢者の域に達している立場から読むと、作者の方が若いから言っていることにある程度の批評ができる。作者の答案用紙に赤ペンで点数を書き込んでいるような気持ちも少しある。
老後の暮らしなど、自分より上を生きて実践している人の話でなければ説得力がないものだ。幸い卒寿、白寿の人たちがわいわい大声をあげてくれている。