昼寝

     ○昼寝覚め南国にあらぬこと悔ゆ
(ひるねさめなんごくにあらぬことくゆ)
カンボジアのこと
       ○人も犬も地べたに長く昼寝かな    秋甫
       ○オールド市の闇き迷路は昼寝刻    々
       ○椰子の葉に丸く沈むや昼寝の国    々
 私の海外旅行はカンボジアから始まる。初めての海外旅行はひどく興奮するものだったから、親戚縁者に言いふらしたりしていると、「どうして、最初の旅行がカンボジアなの?ヨーロッパやハワイ、アメリカへどうしていかないの?」
 ご心配なくあれから十数年間海外旅行は毎年挑戦して、たいがいの国へ行ってきました。
 それはさて置き、今日の季語「昼寝」は、戦後の経済を復興させてきた日本人だと大抵は少し後ろめたく感じるのではないだろうか、昼寝に目覚めてみると失ってしまった時間を後悔する。
 初めてカンボジアの生活に触れた時は、南国の午后の眠りが経済発展を遅らせていると強く思ったのである。
 あの風土では、これまでの日本人のようにせこせこ働けなかっただろう。
 どんなに改革しようとしているのか、社会をリタイアした私には疎いことになったが、日本は今働き方改革が叫ばれている。