冬籠り

     ○方丈に衣食住曳き冬籠り
(ほうじょうにいしょくじゅうひきふゆごもり)
外は風花
 午前中は時々風花も舞っていたが、午後からは眩しい日差しが出ている。吊るし柿も竿でゆらにらと暢気そうにぶら下がって揺れている。
 私は窓の外を時折雪の舞うのを見ながら、何年振りかの知人を招いて向かい合っていた。彼らの世界も相変わらず逡巡している風だった。何かが起ころうとしているのにその一歩が出ないのである、それは私たちへの十分な寛容と愛のためであるらしい。