若葉陰

     ○椅子一つ髪切り合うや若葉陰
(いすひとつかみきりあうやわかばかげ)
 散髪
 今頃は、柿の若葉がひときわ美しく輝やくようになりました。
 髪を切って身もさわやかになれば、ちょっと外へ出て見たくなります。新緑の季節は、野山の空気を吸うだけで身も心も成長するような気がしますが、一日、家の草取りに過ごしました。
 パセリと大葉の芽がびっしり広がって出ていました。大葉は毎年庭のさざれ石の中にまで生えてきます。折角だからと、芽を摘まないでおくと、わがもの顔にどんどん庭を占領しますが、せめてその香りをいただくまではと、のさばらせておくのも、例年のことなのです。