浅春

         ○湖に待ちし白鳥の船春浅し(追悼四句)

             (こにまちしはくちょうのふねはるあさし)

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             ○浅春に一人の農夫葬送す     秋甫

             ○浅き春遺品となりしギター置かれ 々

             ○春浅く喪主なる妻は肩抱かれ   々

  ある弔辞

 「自分の信じる道をまっすぐ歩み抜きました」

 父は長年、農業を生業にし無農薬での生育に拘って、人と地球のために理想の農業を追求して参りました。学究肌と申しますか、その道の研究者とも親交をもち土壌の微生物を自宅の敷地で醸造することもありました。

 一方、音楽を愛し、なかでもギターは若い頃からの趣味で、ピアノをする母とアンサンブルをしたり、母や妹たちの係わっているフラダンス教室の伴奏を手伝うこともありました。

 人生百年時代と言われております昨今では、65歳の生涯は短か過ぎるように思われますが、父は仕事も趣味も十分に楽しめたと申しているかもしれません。

 農作業をしながら、道行く人たちとふれあい、話をするのが好きで、それが元気の源になっていました。生前のご厚情に深く感謝申し上げます。      長男