冬に入る

     ○サクソホンの哀しき調べ冬に入る
(サクソホンのかなしきしらべふゆにいる)

       ○駅伝の号砲鳴るや今朝の冬    秋甫
       ○冬来る雀ばかりが残りけり    々
       ○朝刊のバイクの音も今朝の冬   々
 蒲団に包まってシンフォニー
サクソホーンの音色をぬくぬくとした蒲団の中で聞いていたのに、むせび泣くようで胸が締め付けられる。
 懐かしい詩を思い出した
 [落ち葉]  ポール・ベルレーヌ作 上田敏
    秋の日の       鐘の音に    げにわれは
    ヴィィオロンの    胸ふたぎ    うらぶれて  
    ためいきの      色かへて    ここかしこ
    ひたぶるに      涙ぐむ     さだめなく
    身にしみて      過ぎし日の   とび散らふ
    うら悲し。      おもひでや。  落ち葉かな。