糸瓜忌

     ○横顔ですぐ子規さんと糸瓜の忌
(よこがおですぐしきさんとへちまのき)
子規忌
     ○獺祭忌あるだけの菓子供えけり   秋甫

 子規の健啖家は有名である。明治34年の仰臥漫録の9月19日には
 9月19日 晴
 便通
 朝飯 粥三碗 佃煮 奈良漬
 午飯 冷飯三碗 鰹魚のさしみ 味噌汁 (さつまいも) 佃煮 奈良漬 梨一つ 葡萄一房
 間食 牛乳五勺ココア入り 菓子パン 塩せんべい 飴一つ 渋茶
 便通及び包帯取り替え
 晩飯 粥三碗 キャベツ ポテト 奈良漬 梅干し 梨一つ
 ...自分が旅行したのは書生時代であったので旅行といへば独り淋しく歩行いて宿やで独り淋しく寐るものじゃと思ふて居る。それだから到る処で歓迎せられてご馳走になるなどといふ旅行記を見ると羨ましいの妬ましいのてて...。仰臥漫録より抜粋