日盛り

     ○日盛りや路地に一人の石を蹴る
(ひざかりやろじにひとりのいしをける)
夏休み
 子供たちは夏休みに入って思い思いの時間を過ごしているのでしょう。
 自身の夏休みの思い出が蘇えってきます。あんなに楽しみにしていた夏休みなのに、いざ学校へ行かなくていい自由を手にしてみると、1週間も経たないうちに退屈しきって畳の上をゴロゴロ転げる始末でした。そんな時、アイスキャンデー屋の鉦の音が辻に聞こえると素早く5円もらって飛び出して行きます。自転車の荷台に積んだアイスボックスから、透き通ったピンクのアイスキャンデーを出してもらうのです。甘い快楽のひと時は、ほんの一瞬に跡形もなく消え去るものですね、残ったキャンデーの棒さえ、何度も何度も舐めて生暖かくなっていました。
 明日は孫がやって来ます。親から子へ、子から孫へ受け継がれていくDNAはまた同じような心の体験を重ねていくのでしょうか。