箱庭

     ○箱庭にお伽話の景色かな
(はこにわにおとぎばなしのけしきかな)
箱庭療法
 心理カウンセラーは分析のために「箱庭療法」といって、箱の中にあらかじめ用意されている小道具などを使って心象風景を作らせるという方法があるらしいのです。またそれとは別に昔から小さな理想郷を作って涼を楽しむ趣向もあります。そういった場合から「箱庭」は夏の季語となっているのでしょう。
     ○箱庭の街に無人の信号機  秋甫
 ビルが立ち並ぶお昼の交差点、そこでは信号が定期的に赤になったり青になったりをただ繰り返しているだけで、街に動く車も無く、人影も見えません。
 このような心象風景を作ったら、臨床心理士はその人の心をどんな風に分析するでしょう。私の心象風景はお伽話の方と、無人の街の風景も作ります。