春暁

     ○春暁や兎と亀の夢みてり
(しゅんぎょうやうさぎとかめのゆめみてり)
[春の夢」
 先週2015年の俳句集を完成したころである。小冊子のタイトルもそうであるように、まとめてみると「夢」の句を随分作っていることに気づいた。現実からの逃避を試みているのではなく、現実そのものがその境界線をさまよっているのかもしれない。
 丁度、甲子園は春の選抜高校野球がベスト8の戦いを繰り広げている。攻守の好プレーのシーンをみていると胸にじんと迫ってくるものを感じる。俳句においてそんな好プレーを夢見ているのである。