霾天

     ○霾天や弘法市の古着売り
(ばいてんやこうぼういちのふるぎうり)
 弘法さん
 毎月二十一日は「弘法さん」と呼ばれて東寺の境内に露店商が出た。子供の頃に両親に連れられて時々行った記憶がある。地べたに並べられた商品を手に取って値踏みするのであるが春は特に砂煙が上がりひどいものであった。そんな弘法さんで子供心に強く印象に残っているのは、何故かそこで売られていた古着なのである。久しく「弘法さん」に行っていないが、ネットで調べてみると今もなを古着商は健在らしい。
 真言宗では3月のお涅槃のお参りには、亡くなった人が身に着けていた着物を堂内の紐に掛けて帰るという慣わしが最近まで行なわれていたのである。そんな事を考え合わせると沢山集まった古着は東寺の「弘法さん」でうまく処理されていたのかもしれない。