空蝉

     ◦空蝉の今生に目の大きさよ
(うつせみのこんじょうにめのおおきさよ)
朝は蜩
 空が明るみ始める頃鳴き出すのは蜩である。同じ蝉でもこの蜩は秋の季語になるのだ、そう言えば少しひんやりした空気の中で鳴いているような気がする。
 蝉の幼虫は土の中に7、8年いて塾虫すると穴を開けて地上に出て来る、羽化してからの寿命は1週間くらい、という事が何となく知識として頭の中にあったが、少しだけ詳しく調べてみなければと思ってネット検索してみると、蝉の生態はまだよくわかっていないと言うのが多かった。ファブルの昆虫記にすら詳しく書かれていそうな気がするが、信じられない驚きだった。
 ともあれ、空蝉に残された窓のような大きな目が、私の心を痛くうった訳である。