2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧
○山脈の新樹に拓く太平洋 (さんみゃくのしんじゅにひらくたいへいよう)
○昭和の日大正昭和平成に生く (しょうわのひたいしょうしょうわへいせいにいく)
○山笑う百寿の叔母は吾を知らず (やまわらうはくじゅのおばはわれをしらず)
○雨になり蝶に替りて夕蛙 (あめになりちょうにかわりてゆうかはず)
○お豆腐屋のラッパ懐かし夕燕 (おとふやのラッパなつかしゆうつばめ)
○初燕屋根やの泥を狙ひしか (はつつばめやねやのどろをねらいしか)
○山繭や汝が吐く糸の山の彩 (やままゆやながはくいとのやまのいろ)
○糸遊や汝の曳かれゆく曲がり道 (いとゆうやなのひかれゆくまがりみち)
○葱坊主登校下校の鼻ったれ (ねぎぼうずとうこうげこうのはなったれ)
○船着かば猫の子島の人の数 (ふねつかばねこのこしまのひとのかず)
○島青葉六十円の渡船かな (しまあおば60えんのとせんかな)
○ありがたき余震の中の日永かな (ありがたきよしんのなかのひながかな)
○母子草路傍の石のすぐ傍に (ははこぐさろぼうのいしのすぐそばに)
○陽炎や色即是空へんろ道 (かげろうやしきそくぜくうへんろみち)
○逃げ水を確かめたくて前へ行く (にげみずををたしかめたくてまえへいく)
○甲冑の緋糸哀しや樟若葉 (かっちゅうのひいとかなしやくすわかば)
○虎杖を買う人のいて胸さわぎ (いたどりをかうひとのいてむなさわぎ)
○娘に重き母となりしや啄木忌 (こにおもきははとなりしやたくぼくき) [ 啄木忌 (たはむれに) たはむれに母を背負いて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず
○鳥曇仁丹になるだんご虫 (とりぐもりじんたんになるだんごむし)
○雀の子この海渡って五十年 (すずめのここのうみわたってごじゅうねん)
○青嵐竹馬の友は老女かな (あおあらしちくばのともはろうじょかな)
○春霞黒く塗られし本の文字 (はるがすみくろくぬられしほんのもじ)
○放哉も虚子も鬼籍の四月かな (ほうさいもきょしもきせきのしがつかな) 四月八日(虚子忌) 春7句 。鎌倉を驚かしたる余寒あり 。春風や闘志いだきて丘に立つ 。遠足のおくれ走りてつながりし 。風吹けば来るや隣のこいのぼり 。春潮といへば必ず門司を思…
○犬が来て鼻つけていく放哉忌 (いぬがきてはなつけていくほうさいき) 四月七日(放哉忌) 。咳をしても一人 。いつしかついて来た犬と浜辺に居る 。とんぼが淋しい机にとまりに来てくれる 。ビクともしない大松一本と残暑にはいる 。障子あけて置く海も暮れ…
○西行の夢を倣ふや花のもと (さいぎょうのゆめをならふやはなのもと)
○花冷えの落花盛りに酒宴かな (はんびえのらっかさかりにしゅえんかな)
○木の芽雨船の警笛聞いている (きのめあめふねのけいてききいている)
○たんぽぽの閉じて午後から雨らしい (たんぽぽのとじてごごからあめらしい)
○君待って『慕情』観し日の花の雨 (きみまって「ぼじょう」みしひのはなのあめ)
○四月馬鹿パソコンを打つ鼠かな (しがつばかパソコンをうつマウスかな)