○葱坊主ぼうずは花になりにけり
(ねぎぼうずぼうずははなになりにけり)
葱の花
葱坊主が膨らんでまん丸い花になりました。まるで彼らもタンポポの穂のように風に飛んで行く準備をしているかのようですが、種はちょっと根の周辺に散らばるくらいでしょう。
この葱の花が咲くと、いつも小学校へ入学した年のことを思い出します。
家の二階から小学校の運動場が見えるほど近かったのですが、校門の入り口は広い畑をぐるりと回らなければならず、そこを通る時、一面の葱坊主が目が痛くなるような匂いを放っていたのです。その上所々には溜壺(下肥を溜めておく)もあっていっそうひどい匂いでした。
あの匂いも、溜壺も懐かしい思い出です。(京都市立安井小学校)