箒草

     ○箒草寺継いで撞く今朝の鐘
(ははきぐさてらついでつくけさのかね)
寺の鐘
 旦那寺はこの夏に住職が息子の代になった。先々代の時から三代に亘って朝の鐘の音をきいてきたが、同じ鐘でも撞く人によって、それぞれに音色は違って聞こえるものだと思っている。
 当然、聞く側にもその時々の心境の変化といのは否めないだろうが、何十年も同じ鐘を聞いていると撞く人の気持ちがこちらに伝わってきていたような気がしていた。
 少なくとも先代の住職の鐘は長く聞きなれてきただけに、間合い響きが、こちらの呼吸とぴったり重なって聞こえていた。情緒的に感情を抑えたそれなりにコントロールできた人物と思っている。これから聞いていく息子の方はどうだろうか。