芋植う

          ○休校の子も出て一家芋植うる

            (きゅうこうのこもでていっかいもううる)

             f:id:eeyannka:20200314055724j:plain

            ○元校長件(くだん)の芋を植えにけり   秋甫

            ○種芋の芽の上に土深く着せ       々

            ○昔日の吾天秤に種芋と         々

 

薺花

          ○薺花世はウイルスに閉じ籠り

             (なずなばなよはウイルスにとじこもり)

                f:id:eeyannka:20200313134338j:plain

             ○べったりと在れば疲るる薺花    秋甫

             ○薺花悲しい時は悲しみに      々

             ○時来ればぺんぺん草の飛びゆかむ  々 

 

 

土筆

          ○中辺路に摘みし土筆が夢にでて

             (なかへじにつみしつくしがゆめにでて)

             f:id:eeyannka:20200312112049j:plain

            ○土筆摘めば胞子となりて君は飛ぶ   秋甫

            ○ここの野を明日は飛び立つ土筆かな  々

            ○土筆摘み在所問われて詰まりけり   々

 

春の雨

          ○明け方の屋根の光るや春の雨

             (あけがたのやねのひかるやはるのあめ)

            f:id:eeyannka:20200311054237j:plain

             ○北山の裾野も濡らす春の雨    秋甫

             ○春雨や雲竜登る峰の峪      々

             ○春雨や双ヶ丘の心療院      々

 

山椒の芽

           ○山椒の芽を確かめて夢つなぐ

             (さんしょうのめをたしかめてゆめつなぐ)

              f:id:eeyannka:20200310095637j:plain

             ○山椒の枯木と紛うほどに芽を   秋甫

             ○薔薇の芽や少し間のあり吾寿命   々

             ○薔薇の芽に早や目をつけし小鳥たち 々

 

初蝶

           ○初蝶のよぎる白さや麦の畑

             (はつちょうのよぎるしろさやむぎのはた)

           f:id:eeyannka:20200309063516j:plain

            ○何気なくやり過ごし初蝶と覚ゆ   秋甫

            ○初蝶や白菜にもう花咲いて     々

            ○初蝶の何かに迷う如くでて     々

 

           ○赤き冠もて北雉にならんとす

             (あかきかむりもてきたきじにならんとす)

             f:id:eeyannka:20200308071504j:plain

            ○毎年に裏畑歩く雉(きぎす)かな    秋甫

            ○雉の尾のしだりに空を翔び立てず   々

            ○妻恋の雉歩み行く春の雨       々