○春塵となる駱駝の糞へ帽子飛ぶ
(しゅんじんとなるラクダのふんへぼうしとぶ)
○信楽の狸のふぐり春埃 秋甫
○春塵やシュレッドするレジシート 々
○ネパールに笛売る男春の塵 々
(そうじしてまたもぐりこむはるごたつ)
○春火燵想定外は常のこと 秋甫
○決断を鈍らせてゐる春火燵 々
○今日は今日明日は明日春火燵 々
(ややおとこときどきおんなはるのよい)
○ロックした解除忘れし宵の春 秋甫
○春宵や三倍速の忘却に 々
○てにをはにうかうか過ぎぬ春の宵 々
(しおくみもいとまきもでてざしきびな)
○さかしまの男雛箱より出してやる 秋甫
○雛祭り来年こそは揃ひ来よ 々
○吾が後に居場所もあらむ雛の荷 々
(さんがつやえきびょうというおおあらし)
○三月や観戦者なきオープン戦 秋甫
○三月のウイルスに街奪われる 々
○三月や別れの曲も家々に 々