海苔

          ○封切れば海苔芳しき朝餉かな

             (ふうきればのりかぐわしきあさげかな)

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             ○荒磯の岩海苔採るや日本海      秋甫

             ○岩海苔の乾けば海女の手のごとし   々

             ○頬かぶりして岩海苔採りの礁に這う  々

 

金縷梅の花

          ○金縷梅の花きらきらと金髪娘

            (まんさくのはなきらきらときんぱつむすめ)

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             ○金髪に振り向けば金縷梅の花   秋甫

             ○陸奥の万作咲くやポンポンと   々

             ○無秩序に金縷梅の花咲きにけり  々

               

 

立春

          ○タミフルに熱も下がりて春立ぬ

             (タミフルにねつもさがりてはるたちぬ)

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              ○立春の日の上空に寒気来る   秋甫

              ○熱冷めて朝の窓より春立ぬ   々

              ○立春の光背にして老ふたり   々

 

節分

           ○大津絵の鬼も加勢に節分会

             (おおつえのおにもかせいにせつぶんえ)

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              ○節分の鬼のパンツの小さきけり   秋甫

              ○節分の夕餉に煮るや年の豆     々

              ○節分の豆鉄砲に鳩の来て      々

 

           ○柊挿し猫に鰯をねだられる

            (ひいらぎさしねこにいわしをねだられる)

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              ○昼餉の潤目柊に挿しにけり   秋甫

              ○柊挿す母の実家は忍者の里   々

              ○柊挿す入口に鍵かけてある   々     

 

雪割草

           ○雪割草けふ松山のお椿さん

           (ゆきわりそうきょうまつやまのおつばきさん)

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            ○雪割草その名を恋ふる雪の上   秋甫

            ○子も孫も冬の生まれに雪割草   々

            ○暖冬の野にやすやすと雪割草   々

 

冬草

         ○冬草や地を這う上へ陽のひかり

            (ふゆくさやちをはううえへひのひかり)

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            ○冬草や驚くほどに根の長し     秋甫

            ○長き根を真っすぐ伸ばす冬の草   々

            ○長らえて地を這うもよし冬の草   々