2024-01-01から1年間の記事一覧

さくら鯛

〇くりくりと邪鬼の無き目やさくら鯛 (くりくりとじゃきのなきめやさくらだい) 〇桜鯛精進落とす法事膳 河童三子 〇さくら鯛氏も育ちも瀬戸内海 々 〇掌(てのひら)に載る大きさやさくら鯛 々

菜種梅雨

〇終日を近見の山や菜種梅雨 (しゅうじつをちかみのやまやなたねつゆ) 〇菜種梅雨一幅の山水画の窓 河童三子 〇菜種梅雨マルチ畠の光りかな 々 〇何日も海を隠して菜種梅雨 々

虚子忌

〇虚子の忌や椿の杖に花の咲く (きょしのきやつばきのつえにはなのさく) 〇今日虚子忌宙の汀子とホトトギス 河童三子 〇椿寿忌や僧来て椿掃き集める 々 〇虚子の忌や太子を偲ぶ椿堂 々

花冷え

〇花冷えや草色の有刺鉄線 (はなびえやくさいろのゆうしてっせん) 〇花冷えや稍々燃えきれぬ体脂肪 河童三子 〇花冷えやコンビニの茶とおにぎりと 々 〇花冷えの野の蝶を追い立てる 々

春の星

〇妻となったあの夜に見し春の星 (つまとなったあのよるにみしはるのほし) 〇春の夜の大曲線に二つ星 河童三子 〇牛飼いの乙女誘ふや春の星 々 〇春の星獅子や烏の落るかと 々

花曇り

〇六地蔵から醍醐寺へ花曇り (ろくじぞうからだいごじへはなぐもり) 〇里山の頂にある養花天(ようかてん) 河童三子 〇花曇りレジシート見直してゐる 々 〇養花天離れて歩く二人かな 々

清明

〇清明や夢に父ゐて母をらず (せいめいやゆめにちちでてははおらず) 〇清明の休耕つづく大地かな 河童三子 〇清明や海に真白な雲のせて 々 〇清明の牧に草食む仔牛かな 々

春宵

〇春宵や海辺の町の空に浮く (しゅんしょうやうみべのまちのそらにうく) 〇朝からの雨ふりつづく春の宵 河童三子 〇春宵や灯を点けぬまま頁繰る 々 〇春宵や近き稜線のみ残る 々

初蝶

〇初蝶や菜花に欲られ白置きぬ (はつちょうやなばなにほられしろおきぬ) 〇初蝶やブックスタートする乳児 河童三子 〇初蝶の揺れてしんがり務めける 々 〇初蝶やカバヤ文庫の本デビュー 々]

万愚節

〇鳳凰の羽ちらつかす万愚節 (ほうおうのはねちらつかすまんぐせつ) 〇玉葱が可哀そうだと四月馬鹿 河童三子 〇三月の予定表見せて四月馬鹿 々 〇万愚節新年度とて齢を足す 々

朝桜

〇吾場所に座れば山の朝桜 (わがばしょにすわればやまのあさざくら) 〇朝桜向かひてご飯いただきます 河童三子 〇ひとり占めしている場所の朝桜 々 〇朝ざくら昼ざくら夕桜まで 々

陽炎

〇陽炎の中より返るブーメラン (かげろうのなかよりかえるブーメラン) 〇故里や陽炎ふ海の上帰る 河童三子 〇陽炎に足ふみはずし転びそう 々 〇陽炎を追いかけて追い抜いて来し 々

山笑ふ

〇山笑ふ丹波篠山黒豆麺麭 (やまわらうたんばささやまくろまめぱん) 〇ほわほわと丹波篠山笑ひけり 河童三子 〇ぽっかりとおとぎ話の山笑ふ 々 〇山笑ふほほほふふふと並ぶかな 々

蝌蚪

〇教室へ誰か持ち来し蝌蚪の紐 (きょうしつへだれかもちきしかとのひも) 〇銀河系に黒き目が出て蝌蚪の紐 河童三子 〇蝌蚪の紐寂光院の池にかな 々 〇蝌蚪の紐水を干されて籠城す 々

花衣

〇花衣犬にも着せて蛸薬師 (はなごろもいぬにもきせてたこやくし) 〇脛出して外国人の花衣 河童三子 〇チャリチャリと雪駄鳴らすや花衣 々 〇六角堂胸にクルスの花衣 々

春雷

〇春雷や冬眠の亀首伸ばす (しゅんらいやとうみんのかめくびのばす) 〇大門に人走り入る春の雷 河童三子 〇春雷や鳩飛び立たす六角堂 々 〇春雷や新京極の蛸薬師 々

春祭

〇村人の義農称へる春祭り (むらびとのぎのうたたえるはるまつり) 〇花まつり稚児しずしずと狐貌 河童三子 〇弟の稚児たのもしき春まつり 々 〇十俵の餅に酔いけり春まつり 々

桜咲く

〇修学院夏の離宮の桜咲く (しゅうがくいんなつのりきゅうのさくらさく) 〇山科を京へ桜の上り来る 河童三子 〇ひとり来て鞍馬の里の桜かな 々 〇太秦の桜の記憶また一つ 々

九春

〇揺れながら九春の真中過ぎけり (ゆれながらきゅうしゅんのまなかすぎけり) 〇九春ややうやう嬰の首すわる 河童三子 〇九春の或る日変身する蛹 々 〇九春や餌の匂いに亀の夢 々

雁帰る

〇冠雪に別れを告げる春の雁 (かんせつにわかれをつげるはるのかり) 〇月残るさざ波の上雁帰る 河童三子 〇雁帰るひたすらNの極さして 々 〇ブーメランの形つくって雁帰る 々

竜天に昇る

〇鑑真の渡りし四海竜天に (がんじんのわたりししかいりゅうてんに) 〇竜天に昇りて山は真っ白に 河童三子 〇竜天に立ち合いたくて池のへり 々 〇たった今竜が昇りし跡を見る 々

春疾風

〇表の物転がる音や春疾風 (おもてのものころがるおとやはるしっぷう) 〇若者の胸の虚構や春疾風 河童三子 〇魁夷の海巌波白き春疾風 々 〇春疾風タクラマカンの砂漠より 々

囀り

〇囀りに耳傾ける道祖神 (さえずりにみみかたむけるどうそじん) 〇囀りの聞こえる方の山仰ぐ 河童三子 〇ふるさとの訛りを入れて囀るや 々 〇囀りや近づく程に旨くなり 々

日脚伸ぶ

〇日脚伸ぶ歯医者の椅子に仰向きて (ひあしのぶはいしゃのいすにあおむきて) 〇窓の外の淡き茜や日脚伸ぶ 河童三子 〇日脚伸ぶ己の寿命ともに延ぶ 々 〇日脚伸ぶ旅行鞄の荷出し入れ 々

芋植う

〇伊予美人てふ芋植るる霄のもと (いよびじんてふいもうるるそらのもと) 〇先生の一家そう出に芋植るる 河童三子 〇ひつじ田を鋤いて今年は芋植るる 々 〇待ちかねて芽を出している芋植るる 々

薺花

〇薺花下の姉から爪弾き (なずなばなしたのあねからつまはじき) 〇ぺんぺんと撥搏ちたがる薺花 河童三子 〇娘はすぐに女となりぬ薺花 々 〇三味線草雀おどらす日中かな 々

白木蓮

〇はくれんの気迫まっすぐ白通す (はくれんのきはくまっすぐしろとおす) 〇初陣の鉢巻き白し白木蓮 河童三子 〇白木蓮みな上向いて汚れ無し 々 〇世の中の判官贔屓(はんがんびいき)白木蓮 々

春しぐれ

〇乳取りし胸のくぼみや春しぐれ (ちちとりしむねのくぼみやはるしぐれ) 〇春しぐれ子は傘置いて走り出る 河童三子 〇人形のフランス窓や春しぐれ 々 〇春しぐれ湖水地方のSLに 々

〇雉の目の金環色に菜の花や (きじのめのきんかんしょくになのはなや) 〇雉の頬真紅に出でて急ぎ去る 河童三子 〇ヒマラヤを臨む夕刻きぎす鳴く 々 〇雉鳴くやヒマラヤ深く亡命す 々

水温む

〇絵の中の跳ね橋の下水温む (えのなかのはねばしのしたみずぬるむ) 〇鯰でて髭の自慢や水温む 河童三子 〇ぴちゃぴちゃと飲む猫舌に水温む 々 〇水温む一人芝居の浮世かな 々