〇回覧板もって菫の小径かな

               (かいらんばんもってすみれのこみちかな)

             

           〇芽を出してすぐ花つける菫かな   河童三子

           〇菫咲く花壇はみ出てをりにけり   々

           〇ふたりして菫のごとく小さくなり  々

 

雀の子

           〇雀の子キュッキュッとなくも丸裸

            (すずめのこキュッキュッとなくもまるはだか)

          

           〇子雀の鼓動をつかむ掌(たなごころ)   河童三子

           〇子雀の鼎(かなえ)の形口三つ      々

           〇雀の子忠一忠二忠三郎          々

 

さくら鯛

           〇くりくりと邪鬼の無き目やさくら鯛

               (くりくりとじゃきのなきめやさくらだい)

          

          〇桜鯛精進落とす法事膳          河童三子

          〇さくら鯛氏も育ちも瀬戸内海       々

          〇掌(てのひら)に載る大きさやさくら鯛    々

 

菜種梅雨

           〇終日を近見の山や菜種梅雨

             (しゅうじつをちかみのやまやなたねつゆ)

          

            〇菜種梅雨一幅の山水画の窓   河童三子

            〇菜種梅雨マルチ畠の光りかな  々

            〇何日も海を隠して菜種梅雨   々

 

虚子忌

          〇虚子の忌や椿の杖に花の咲く

             (きょしのきやつばきのつえにはなのさく)

           

           〇今日虚子忌宙の汀子とホトトギス   河童三子

           〇椿寿忌や僧来て椿掃き集める     々

           〇虚子の忌や太子を偲ぶ椿堂      々    

 

 

                                  

花冷え

            〇花冷えや草色の有刺鉄線

              (はなびえやくさいろのゆうしてっせん)

          

            〇花冷えや稍々燃えきれぬ体脂肪    河童三子

            〇花冷えやコンビニの茶とおにぎりと  々

            〇花冷えの野の蝶を追い立てる     々

 

春の星

            〇妻となったあの夜に見し春の星   

             (つまとなったあのよるにみしはるのほし)

          

            〇春の夜の大曲線に二つ星     河童三子

            〇牛飼いの乙女誘ふや春の星    々

            〇春の星獅子や烏の落るかと    々