初蝶

　　　　　　　　　　　　　（はつちょうやなばなにほられしろおきぬ）

　　　　　　　　　　　〇初蝶やブックスタートする乳児　　　河童三子

　　　　　　　　　　　〇初蝶の揺れてしんがり務めける　　　々

　　　　　　　　　　　〇初蝶やカバヤ文庫の本デビュー　　　々]

万愚節

　　　　　　　　　　　　　（ほうおうのはねちらつかすまんぐせつ）

　　　　　　　　　　　〇玉葱が可哀そうだと四月馬鹿　　　河童三子　　

　　　　　　　　　　　〇三月の予定表見せて四月馬鹿　　　々　

　　　　　　　　　　　〇万愚節新年度とて齢を足す　　　　々

　　　　　　　　　　　　　　（わがばしょにすわればやまのあさざくら）

　　　　　　　　　　　　〇朝桜向かひてご飯いただきます　　　河童三子

　　　　　　　　　　　　〇ひとり占めしている場所の朝桜　　　々

　　　　　　　　　　　　〇朝ざくら昼ざくら夕桜まで　　　　　々

　　　　　　　　　　　　　（かげろうのなかよりかえるブーメラン）

　　　　　　　　　　　〇故里や陽炎ふ海の上帰る　　　　　　河童三子

　　　　　　　　　　　〇陽炎に足ふみはずし転びそう　　　　々

　　　　　　　　　　　〇陽炎を追いかけて追い抜いて来し　　々

　　　　　　　　　　　　　　（やまわらうたんばささやまくろまめぱん）

　　　　　　　　　　　　　〇ほわほわと丹波篠山笑ひけり　　　　河童三子

　　　　　　　　　　　　　〇ぽっかりとおとぎ話の山笑ふ　　　　々

　　　　　　　　　　　　　〇山笑ふほほほふふふと並ぶかな　　　々

　　　　　　　　　　　（きょうしつへだれかもちきしかとのひも）

　　　　　　　　　　〇銀河系に黒き目が出て蝌蚪の紐　　　河童三子

　　　　　　　　　　〇蝌蚪の紐寂光院の池にかな　　　　　々

　　　　　　　　　　〇蝌蚪の紐水を干されて籠城す　　　々

　　　　　　　　　　　　（はなごろもいぬにもきせてたこやくし）

　　　　　　　　　　　〇脛出して外国人の花衣　　　　　　　河童三子

　　　　　　　　　　　〇チャリチャリと雪駄鳴らすや花衣　　　々　　　

　　　　　　　　　　　〇六角堂胸にクルスの花衣　　　　　　　々