秋の声

          〇 I Vow to thee, My Contry  秋の声

              (我は汝に誓う、わが祖国よあきのこえ)

             

            〇SLの湖水のほとり秋の声       河童三子

            〇秋の声ピーターラビット耳立てぬ   々

            〇島の山羊すそ野に食みぬ秋の声    々

 

            

 

蓑虫

          〇蓑虫に呼び止められし秋の空

             (みのむしによびとめられしあきのそら)

               

             〇蓑虫の妻は一生家の中     河童三子

             〇蓑虫や檜造りの棟上がる    々

             〇蓑虫や家一軒のライフかな   々

          

          〇二つ三つ見せて茶碗の栗ご飯

            (ふたつみつみせてちゃわんのくりごはん)

           

            〇接待の栗飯熱き札所寺     河童三子

            〇山の道転がる栗を追いかける  々

            〇栗飯と肉の時雨煮弁当に    々

 

 

昼の虫

          〇昼の虫牧場の中のパン屋さん

              (ひるのむしまきばのなかのパンやさん)

            

            〇磯浦に蜑小屋一つ昼の虫      河童三子

            〇纜(ともづな)に島の渡船や昼の虫  々

            〇ままごとの弟寝かせ昼の虫       々

 

 

曼殊沙華

            〇曼殊沙華花魁道中村の径

            (まんじゅしゃげおいらんどうちゅうむらのみち)

             

             〇彼岸花春に無いのは不公平    河童三子

             〇曼殊沙華橋の向こうは彼岸とて  々

             〇彼岸花あの世は舟で渡るべし   々

 

秋彼岸

           〇大風が二日居すわる秋彼岸

             (おおかぜがふつかいすわるあきひがん)

            

           〇秋彼岸逆縁の子に閼伽(あか)下げて  河童三子

           〇秋彼岸鯨が浜に打ち上がる      々

           〇逝く時は舟と思ひぬ秋彼岸      々

 

秋茄子

           〇秋茄子一つ醜く残されて

             (あきなすびひとつみにくくのこされて)

             

            〇秋茄子の早くもひねる気配かな   河童三子

            〇妊娠線日々に濃くなる秋茄子    々

            〇秋茄子どうしょうもなく石頭    々