襟巻

            〇マルキスト赤い襟巻してねむる

             (まるきすとあかいえりまきしてねむる)

           

         〇マフラーより出てゐる眼(まなこ)澄めるかな  河童三子

         〇マフラーとニット帽子どもは風の子       々

         〇襟巻して風のない日の散歩かな         々

 

     婆ごころ

 

   〈此の一句〉

     〇桂郎の赤い襟巻畦の数   秋元不死男(1901年━1977年)

 石川桂郎(1909━1975)は好きな俳人である そういえば何かの写真で赤い襟巻をしていたのを見たような気もする その桂郎の句に「昼蛙どの畦のどこ曲らうか」があるが それをふまえての不死男の句だ 秋元不死男(1901━19779)はレッドパージ思想統制)で投獄された人である 桂郎の赤い襟巻にマルキストを象徴したのであろうか 桂郎自身は「俳人風狂列伝」を書いた人ではあるが まるきり市井の人であった。(ブルばあちゃん)