〇冬帽子夜勤あがりの朝の街
(ふゆぼうしやきんあがりのあさのまち)
〇二ット帽肩竦(すく)め行く雪空の下 河童三子
〇ロシア帽ウオッカ呑めば労働歌 々
〇冬帽子ボルサニーノのデカプリオ 々
婆ごころ
〈此の一句〉
〇磔像の前冬帽を鷲掴み 山田弘子〈1934年━2010年)
この句で思い出すのは バチカン大聖堂の「ピエタ像」の前に立った時 思わずこれを経験してしまった事である 教会では男性は帽子を脱がなければならないが 女性は脱がなくてもよい習慣があって 旅先で帽子が頭の上にあるのは日常のことで バチカンでも私は帽子は脱がなかった が マリアがキリストを抱いている像(ラピエタ)の前に来た時 思わず帽子を取って胸に当てた その時偶然横に修道僧が見ていて 私にクルスで祝福してくれたのだ その僧と一瞬呼応した不思議な衝動にも胸が熱くなっていた。 (ブルばあちゃん)