〇蜩に哀しい夢を覚めにけり
(ひぐらしにかなしいゆめをさめにけり)
〇蜩やその後消息途絶へし儘 河童三子
〇かなかなの二声みこえ聞きし儘 々
〇かなかなや心逸(はや)りし文貰ふ 々
私の本棚
たぬきとむじなはそっくりで、だから地方地方では混同され、どちらが
どちらとも判らなくなっている。しかし、ふとんのカヤを干すのはどう
やらむじならしい。雨がふりそうになるとちゃんと仕舞う。あい、
むじながカヤをしまったぞ、こりゃ雨が降るな、かえろう、などといって
カヤ野のお百姓さんは家にかえるという。
(あとがき)より 松谷みよ子
母さんは松谷みよ子のお話がすきだった
ほかにも何冊かあるけど 村上勉さんとの「とうきちとむじな」が
気に入った、というか本屋さんにあったから買ったのだろうけど
村上さんの絵もいいなと思っていた。
母さんは とうきちのようにむじなに騙される人間ではないと自分では思っていた
けれど どこかでそんな自分を恥じる心があって化かされる とうきちに好意を
抱いていたのである。