箱庭

          〇箱庭に雲突くビルの未来都市

            (はこにわにくもつくびるのみらいとし) 

         

           〇箱庭の山は変はらぬ常緑樹    河童三子

           〇箱庭に柿の木置いて落柿舎や   々

           〇箱庭に河鹿の声を聞く夜かな   々

 

     私の本棚

 

 ぐるんぱのようちえん    絵 堀内誠一  文 西内みなみ

 

 保育所までの道のりは長かった  いろんな畑をいくつも越して

 お隣の村を一つ越して  大きな橋が掛かっている川の手前

 橋は渡ってはいけない。

 

 丘の上の道は  上がったり下ったり

 毎日歩かなければならなかった おおかた1㎞はあったかな。

 

 ある日 下の畑の溝に落ちてしまった

 がんばれば上れる高さだったけど 上がらなかったら

 みんな先に行ってしまった。

 

 父さんの単車の音が聞こえた  大声出して泣いた

 父さんは引っ張り上げて  単車の後ろに乗っけてくれた

 ここを父さんの単車が来るのを  知っていたから。