まくなぎ

     ○まくなぎに隣村まで案内さる
(まくなぎにとなりむらまであないさる)

       ○めまといの目にひんやりと入りにけり   秋甫
       ○近道に糠蚊の村を抜けにけり       々
       ○まくなぎをケチャダンスして追い払う   々
 子供のころは暗くなるまであちこちほっつき歩いたものだ。特に兄と一緒の時は双ヶ丘と言っていたが、近くの山へよく登って遊んだ。兄はどこから聞いてきたのか、水晶が見つかるそうだったので、金槌を持って行ったこともある。期待の成果も虚しく下るときは手ぶらで、細い山道を「まくなぎ」に纏われながら、ときどき彼らの一匹が目に入るとたちまち涙が溢れだし、その涙で溺れ死ぬのであった。