春暁

     ○春暁や今灯を消しぬ碇泊船
(しゅんぎょうやいまひをけしぬていはくせん)
春は曙
       ○春あけぼの階下に残るすき焼の香   秋甫
       ○春暁や君は胎児のごとく眠る     々      
       ○眼裏に春暁の色とじ込めて      々
春は曙。やうやう白くなりゆく山際、少し明りて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。