落し文

     ○わが前に神誤りて落し文
(わがまえにかみあやまりておとしふみ)
奇跡
 ふとした瞬間、私は神に守ってもらっていると意識することがあります。今、こうしているということが、神の付け届けを間違ってもらったのかもしれません。
 眠れないまま、また「ラジオ深夜便」をつけています。
 この間から図書館で借りて来てもらった向田邦子のエッセイ集を読んでいますが、面白くて時間はいつの間にか過ぎ去っています。
 彼女が飛行機事故で亡くなったあと、本が次々出版されました。当時一、二冊は読んで、面白いとおもったのは覚えていますが、うちの本棚には彼女の本は一冊もありません。何時の間にか彼女が亡くなった51歳をはるかに越えてしまったのです。
町を昭和の服を着こなして歩けるほど特殊な能力もないのです。