合歓の花

     ○夜もすがら豆の夢みる合歓の花
(よもすがらまめのゆめみるねむのはな)
夜眠る葉っぱ
 合歓の木の葉っぱは、夜になると葉を閉じます。花はそのままで眠りはしないのでしょう。

 ラジオは、向田邦子の「鮒」を朗読していました。出だしはどこからだったのか、気が付けばしっかり朗読に聞き入っていました。懐かしい昭和の家族模様が展開されていています。人気テレビ作家で、彼女の生前に一二冊エッセイを読んだ記憶がありますが、彼女の作品には敢えてそっぽを向いたのでした。53歳の時、飛行機墜落事故で亡くなってから、更に30数年経ちました。
 彼女の作品から、私の中の昭和という時代を考証するのも一案かと思っています。あの当時の家庭内には多かれ少なかれ、「鮒吉」事件のような話は垣間見られたことでした。