○うかうかと十一月を零しけり
(うかうかと十一がつをこぼしけり)
といっても
うかうかは言葉の綾で、本当のところは、それなりにコツコツとと言ってもいいくらい細々とではあるけれど、過ごしたのである。
以前友人に、句から私の気持ちが見えてこないと言われたことがある。そんなこと、誰も単純じゃないんだから、自分の中に二人、三人が一緒に居るのは当たり前だと思っている。
この句では「こぼす」という文字を考えた。手から日々がこぼれ落ちるという「こぼす」は
「零す」でいいんだろうか。11月は随分と落ち葉がこぼれた。