蝉鳴く

     ◦蝉鳴いて大道具小道具備ふ
(せみないておおどうぐこどうぐそろう)
一句の舞台
 昨日から子供たちは夏休みに入った。家の中は一度に数種の蝉が鳴き出したような、てんやわんやになっている所もあるだろう。
 ところが、今年、当の蝉は夏休みに入ってもこれまで耳にしたのは2、3回程度である。雨の日が多いせいかもしれない。
 俳句を作る過程を喩えれば、一句を舞台に載せるようなものだろうか。効果を上げるため、大道具や小道具などを用意して駆使する。
 昨年、大山祇神社に行ったとき、境内に特設の舞台が作られ「しまなみ歌舞伎」の準備中だった。句が出来上がってからそんな野外舞台を思い出した。