2023-01-01から1年間の記事一覧

神渡

〇美しき白波寄せて神渡る (うつくしきしらなみよせてかみわたる) 〇一湾に広がりゆくや神渡 河童三子 〇燧灘ぎしぎし鳴って神渡り 々 〇夜もすがら神渡るらん浦の波 々

ハロウィン

〇ハロウィーン万聖節の堕天使と (ハロウィーンばんせいせつのだてんしと) 〇転がれる南瓜(かぼちゃ)に目鼻ハロウィーン 河童三子 〇キッチンの南瓜笑ふやハロウィーン 々 〇ハロウィーン魔女もちらほら大街道 々

冷まじ

〇傘寿こし今朝冷まじき顔鏡 (さんじゅこしけさすさまじきかおかがみ) 〇太白の霞みし今朝の冷まじく 河童三子 〇サイレンの闇夜突く音の冷まじき 々 〇冷まじき一日己を見つむかな 々

櫨紅葉

〇櫨紅葉すこし距離おく山路かな (はぜもみじすこしきょりおくやまじかな) 〇挙手の子の答え忘れる櫨紅葉 河童三子 〇櫨もみじ柿のこうよう挑発す 々 〇櫨紅葉魁となり山燃やす 々

冬支度

〇頬ばれるだけみな口へ冬支度 (ほほばれるだけみなくちへふゆしたく) 〇冬支度新幹線で子の部屋へ 河童三子 〇満腹の熊にも似るや冬支度 々 〇蜑の家は屋根に石載す冬支度 々

新松子

〇磯風や苫屋に落とす松ぼくり (いそかぜやとまやにおとすまつぼくり) 〇松ぼくり丸寝の猫の背を打ちぬ 河童三つ 〇海暮れて砂に埋もるる新松子(しんちぢり) 々 〇浜の恵比須に松ぼっくりの供えへかな 々

団栗

〇丸い物長い物みんな団栗 (まるいものながいものみんなどんぐり) 〇団栗のおさげの顔が回りけり 河童三子 〇団栗に櫟の夢のやどりけり 々 〇抽斗に今年も足しぬ櫟の実 々

草びら

〇草びらや山下りぬ間に毒あらわ (くさびらややまおりぬまにどくあらわ) 〇草びら鍋囲んで顔を見合うかな 河童三子 〇美しき茸憎くしと踏みにじる 々 〇茸蹴って浦島の煙立つやう 々

いろなき風

〇葉の色をいろなき風の纏ふかな (はのいろをいろなきかぜのまとうかな) 〇夕暮やいろなき風の町走る 河童三子 〇電線を咽び哭かせる秋の風 々 〇山出でし色無き風に海の色 々

神無月

〇祭の酒路上に酔ふや神無月 (まつりのさけろじょうにようやかんなづき) 〇わが予後に主治医の病神無月 河童三子 〇うかうかと傘寿となりし神無月 々 〇神無月鍋焦がす物忘れかな 々

秋まつり

〇のびやかに野面を太鼓秋まつり (のびやかにのづらをたいこあきまつり) 〇トラックに神乗り給ふ秋まつり 河童三子 〇秋祭でんでん太鼓鳴りにけり 々 〇海光や山光迫る秋まつり 々

残る虫

〇残る虫耳を澄ませば相聞歌 (のこるむしみみをすませばそうもんか) 〇切れ切れの声とはなりぬ残る虫 河童三子 〇残る虫今朝は小さな祈りかな 々 〇立つことが億劫となる残る虫 々

数珠玉

〇お手玉にしゃりしゃり音す数珠玉よ (おてだまにしゃりしゃりおとすじゅずたまよ) 〇数珠玉の空の青さへ背伸びする 河童三子 〇数珠玉や鳩の羨む腕輪なり 々 〇海への径数珠玉に塞がれて 々

鵙の贄

〇鵙の贄使い回しの枝にかな (もずのにえつかいまわしのえだにかな) 〇鵙の贄贖(あがな)ふやうにクルスかな 河童三子 〇国境に並べられたる鵙の贄 々 〇今朝の枝輝いてゐる鵙の贄 々

木守柿

〇ぐんぐんと深空になりし木守柿 (ぐんぐんとみそらになりしきもりがき) 〇木守柿つけて売地となりにけり 河童三子 〇三つ四っつ届かぬ枝に木守柿 々 〇明日のため猿も手ださぬ木守柿 々

馬肥ゆる

〇吾乗せし釧路の馬の肥ゆるかな (われのせしくしろのうまのけゆるかな) 〇華々し栄誉のこして馬肥ゆる 河童三子 〇何処までが空の蒼さや秋の馬 々 〇秋の馬憂う瞳に吾を見る 々

秋燈

〇秋燈や大歳時記を手に余し (しゅうとうやだいさいじきをてにあまし) 〇旅の宿聖書手にする秋灯し 河童三子 〇秋燈にギデオンの書のホテルかな 々 〇秋燈や旅のしおりを並べ置く 々

落し水

〇狭田出て一気に海へ落し水 (さなだでていっきにうみへおとしみず) 〇落し水使ひて回る水車かな 河童三子 〇峡の田に日暮は早し落し水 々 〇放たれて海を目指すや落し水 々

ラグビー

〇ラグビーの同胞の声ハカ響く (ラグビーのはらからのこえハカひびく) 〇芝生噛むラガーの厚い肩震へ 河童三子 〇曲線にラグビーボール蹴り上がる 々 〇ラグビーの巨漢ぶつかる飛沫かな 々

新米

〇新米の袋に添へし稲穂かな (しんまいのふくろにそえしいなほかな) 〇新米と聞き升出して計るかな 河童三子 〇新米のころころ踊る炊飯器 々 〇従弟臥しまだ届かざる今年米 々

夜寒

〇フェリーの灯西へ消えゆく夜寒かな (フェリーのひにしへきえゆくよさむかな) 〇新聞のコツと音して朝寒し 河童三子 〇一匹の蛙雨戸の夜寒かな 々 〇朝寒や味噌溶く窓に海の波 々

金木犀

◯金木犀逢魔が時に出逢ひたる (きんもくせいおうまがどきにであいたる) 〇行く人のまた戻り来る木犀下 河童三子 〇木犀の金に埋もれし隣墓かな 々 〇金木犀藤井聡太八冠なる 々

柘榴

〇柘榴の実懐かしき門くぐりけり (ざくろのみなつかしきもんくぐりけり) 〇崩るるを母は嫌ひし柘榴の実 河童三子 〇雨粒の一つ一つや柘榴の実 々 〇裂けし実の輝き見せる柘榴かな 々

美術展

〇二科展と日展の街六本木 (にかてんとにってんのまちろっぽんぎ) 〇若者と日展を出て六本木 河童三子 〇美術展地下鉄ふかき街の下 々 〇美術展出れば夕日にまた熱(ほて)る 々

鰯雲

振り売りに水頼まれし鰯雲 (ふりうりにみずたのまれしいわしぐも) 〇鰯雲我らは弱きスイミーかな 河童三子 〇自撮りするスマホを睨む鰯雲 々 〇母とゐる日々は短し鰯雲 々

新酒

〇試飲会たっぷり注ぐ新酒かな (しいんかいたっぷりそそぐしんしゅかな) 〇辛口の方へ自ずと新酒会 河童三子 〇きき酒を口に含みし新酒かな 々 〇新酒季(どき)伏見の蔵を回るかな 々

秋光

〇秋光や画架立て比叡描き始む (しゅうこうやがかたてひえいかきはじむ) 〇高野橋より秋光の比叡撮る 河童三子 〇秋光の頂に鳥一羽入る 々 〇叡電の走る裾野や秋光 々

秋風

〇秋風の海を眺める烏かな (あきのかぜのうみをながめるからすかな) 〇叩かれて裏戸開ければ秋の風 河童三子 〇流木の虚ろをなかす秋の風 々 〇秋風や愛しのダスティン・ホフマン 々

朝寒

〇秋暁や湯屋の戸開く太鼓の音 (しゅうぎょうやゆやのとひらくたいこのおと) 〇朝寒や虫も鳴かざる庭となり 河童三子 〇朝寒や珈琲の香の階下より 々 〇厨房に麺麭焼くコック朝寒し 々

蚊帳吊り草

〇老境や蚊帳吊り草の庭にゐし (りょうきょうやかやつりそうのにわにいし) 〇蚊帳吊り草クレーン掛けて野の普請 河童三子 〇露のせて蚊帳吊り草の夢果てぬ 々 〇人形を寝かせて遊ぶ蚊帳吊り草 々