2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月尽

○五月尽無言電話に起こさるる (ごがつじんむごんでんわにおこさるる) 雨模様 今日も梅雨らしい一日のうちに暮れる。遅い夕暮れの一時空が薄ピンク色に染まっていた。明日は晴れるのかもしれない。いよいよ明日から6月、梅雨本番に突入するのだろう。 今日…

梅雨雲

○梅雨雲や心を白く閉じ込める (つゆぐもやこころをしろくとじこめる) 一日中雨気 鬱陶しい一日になった。山にも海にも白雲がかかって、視野が閉じ込められる閉塞感はどうしようもない。 テレビで、83歳のチャッター(女性)が紹介されていた。14台もの…

青葉潮

○グレの子を人身御供に青葉潮 (グレのこをひとみごくうにあおばじお) 老女の自動車事故 90歳の女性が車で事故を起こす。高齢者の自動車事故のニュースを聞くと心が痛む。年寄りは誰もがいつまで運転できるだろうかと、自分自身にいつも問いつづけている…

藜の杖

○仙人も藜の杖を欲るらしき (せんにんもあかざのつえをほるらしき) 四国地方梅雨入り ○宿りせん藜の杖になる日まで 芭蕉 芭蕉が岐阜の妙照寺に滞在したときに詠んだ句である。藜は葉を食用にするために中国から持ち帰ったと言われる。若い葉を食すが法蓮草…

玉葱

○玉葱に残る涙を絞らるる (たまねぎにのこるなみだをしぼらるる) 喜怒哀楽 喜怒哀楽の四つの中でも哀がもっとも鈍くなっているのではないだろうか、自分のためにも他人のためにもほとんど泣いていない気がする。涙が枯れてしまうほど特別悲しい思い出もな…

豆ご飯

○豆飯の豆にひょっこり亡母の顔 (まめめしのまめにひょっこりははのかお) 亡母を想う 子供の頃はこの豆ご飯が好きではなかった。豆が口の中で邪魔をして違和感のある食べ物でしかなかったのだ。 ところが、歯は乱杭で所々抜け落ちた場所へ豆が挟まって痛み…

○少年よ裸を恥じること勿れ (しょうねんよはだかをはじることなかれ) ただ裸がいい 裸といえば奄美大島で絵を描いた田中一村が思い出される。暖かい奄美のことであるから裸でも十分暮らせたのであろうが、なにより貧しかったのである。島で働いて得たお金…

紫陽花

○紫陽花の雨も気ままな旅つづく (あじさいのあめもきままなたびつづく) 根無草 大まかな経路は作っても計画に縛られない旅は疲れないものだと思った。それもなるべく辺鄙な田舎や海辺を辿る旅は最高である。車の運転に自信を無くしかけていたが、ハンドル…

梅雨走り

○大歩危に大揚げ買うや梅雨走り (おおぼけにおおあげかうやつゆはしり) おぼけ処の大揚げ 朝から雨。高知市内に出て、国道32号で帰ることにした。 市内を出ると32号線は途端に車の数も減った。雨も降っていたのでゆっくり走る、雨に煙る山間の道も又楽…

浜撫子

○気安さは浜撫子の強さかな (きやすさははまなでしこのつよさかな) イシモチとグレ 海岸線を南予にむけて進む。午前中津島あたりの2か所で釣り糸を垂れる。昨日よりもさらに小さなグレやアイナメ?が上がる。自転車に乗った老人がやってきて、嬉しそうに…

サングラス

○空の色海の色サングラス色 (そらのいろうみのいろサングラスいろ) グレ上がる 三瓶漁港の船止めにてグレの10㎝ほどを16匹。 水中に小魚が群れているのが見えて、サビキを入れると一投目は一度で3匹あがったが、あとは魚の方が慣れたのか余り食いつて…

薫風

○薫風や磯に十軒漁師村 (くんぷうやいそに十けんりょうしむら) 釣り竿を入れて 今回の車中泊の旅は釣り道具を積んでの出発であった。いよいよ自給の色合いがしてきた。醤油、生姜、油、塩など一式揃えて、塩焼き、煮物、天ぷら等に備えたわけであるが...。…

五月の蠅

○五月蠅と言われし蠅の五月かな (うるさいといわれしはえのごがつかな) 小型の蠅が この蠅が五月蠅(うるさい)といわれるように一匹部屋に入るだけで煩わしい。この一両日うるさい五月を感じている。台所の網戸に寄って来たので出してやろうと思って開け…

罌粟坊主

○罌粟坊主懺悔の頭青々と (けしぼうずざんげのあたまあおあおと) 反省の丸刈り 何年か前、女性が丸刈りにするという異様な行為が注目された。果ては美少女が丸刈りにした姿でCMに登場したほどであったが、一般人の坊主頭はそれほど注意を惹く。 実は私も…

穂麦

○使徒食めば穂麦にパンの種宿る (しとはめばほむぎにパンのたねやどる) 安息日 ある安息日にイエスさまと弟子たちは麦畑を通って行かれました。弟子たちは空腹になったので麦の穂を摘んでそれを手で揉んで食べました。それを見とがめたファリサイ派の人々…

そら豆

○そら豆剥く親指の爪黒からず (そらまめむくおやゆびのつめくろからず) 初姫 そら豆を貰った。赤いそら豆だという、見慣れている青いそら豆より少し小ぶりの莢であったが剥いてみるとそら豆が確かに赤い、まるで小豆色をしている。十分な説明を聞かなかっ…

酢漿草

○酢漿草に撃たれて猫は顔を拭く (かたばみにうたれてねこはかおをふく) 夏日 急に夏日になったので体がしんどい。5月15日は「ヨーグルトの日」とか。わが家では京大の家森教授がカスピ海から持ち帰ったと言われる、ヨーグルトの種を20年近く前から育…

穀象

○穀象や近江の米を喰い尽くす (こくぞうやおうみのこめをくいつくす) 田植えのシーズン 穀象虫は米にわく虫のこと。その穀象虫は実は自分自身を言ったのである。滋賀県の従弟が送ってくれた近江米を丁度食べ尽くしてしまったところなのだ。

母の日

○母の日の母の茶髪にミニスカート (ははのひのははのちゃぱつにミニスカート) 雨の母の日 強く降ったり小止みになったりしながらも一日中の雨日になった。 「お漬物の樽は開いた?」というメールが入っていた。婿の母親からである。娘が其々に母の日のプレ…

麦飯

○麦飯や昔は腹を空かせをり (むぎめしやむかしははらをすかせをり) エアーメール届く まるでお伽の国に来たような美しい街ですが、現実の歴史は100年近い昔に一度破壊されたものです。マルクス・レーニンの思想を掲げた社会主義革命は帝政時代の宗教や…

松蝉

○松蝉の啼いて独りの昼餉かな (まつせみのないてひとりのひるげかな) 耳鳴りかも 気温はそれほど高くなかったけど、確かにジーと蝉の啼く声がしていたように思う。春蝉または松蝉と呼ばれる蝉は3月〜5月に啼く蝉を言うらしい。この時期に啼く蝉の声はど…

葱坊主

○思案せずまずは生ききる葱坊主 (しあんせずまずはいききるねぎぼうず) ロシアで出した絵ハガキはまず横浜に1枚届いたらしい。モスクワ空港の近くのホテルから20日かかって届いたのである。あと京都と四国はまだのようである。 かって「キャストアウエ…

初夏

○初夏や登校の児の白うさぎ (はつなつやとうこうのこのしろうさぎ) 子供が白ウサギか 小学校の頃、校舎の中庭に小屋があって金網で区切られた小屋の其々にはウサギとニワトリが飼われていた。登校の途中気が向けば道々の草などちぎってウサギに与える子も…

代田

○一枚の代田に団地収まりぬ (いちまいのしろたにだんちおさまりぬ) 田水が張られる 家の南の畑は今年は田圃になるようだ。水が張られると明るくなって、田圃にもう一つの世界が広がっているようだ。早速燕がその上を飛び交って巣作りの泥を狙っていた。田…

蕗の雨

○連休の道静まりぬ蕗の雨 (れんきゅうのみちしずまりぬふきのあめ) 静かな雨の日 ロシアから出した5枚の絵葉書は何処からも届いたという連絡がない。4月21日ホテルのチェックアウトの時、カウンターの係員に依頼したのものだ。単なる個人的な支障なの…

五月寒

○五月寒ロシアに迷ふ夢さみし (ごがつさむロシアにまようゆめさみし) 旅行から戻ってよく夢を見る。 「ロシアの内戦に巻き込まれてしまって、どこかの部屋に潜伏しているのである。拉致されているというのでもなく、かと言って出ると危険になるというスィチ…

初節句

○初節句新聞の兜頂きて (はつぜっくしんぶんのかぶといただきて) 端午の節句 シンプルライフだね。愛する息子への両親の心意気も感じる。この芋虫さん少しづつ変態を重ねて今じゃ朝シャンなどしてから登校するきっての潔癖症に成長しているようだけど、む…

辣韭

○尻据えて辣韭の根を切りにけり (しりすえてらっきょうのねねをきりにけり) 何年か前、畑から引っこ抜いたままの辣韭を貰ったことがあった。茎と根を切って白い辣韭の姿にするのは根気のいる作業だった。裏かまちにでっかと座ってやったが、あの年の手作り…

憲法記念日

○カレーパン憲法記念日でありぬ (カレーパンけんぽうきねんびでありぬ) 立憲国 世界中で名を掲げている国ではみな憲法を定めている。憲法というだけでとても立派にきこえるのが不思議である。中身はどこの国もパンにカレーを入れたようなものだろう。

花疲れ

○花疲れ午後には雨になるような (はなつかれごごにはあめになるような) 連休の中休み ロシアでひいて帰ってきた風邪はなかなか治らない、咳と痰で苦しい。