2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

二月尽

○二月尽障子の破れ繕ひぬ (にがつじんしょうじのやぶれつくろひぬ) 春障子 障子の外の光は春である。製本のために糊を使用した序でに障子の破れを修復。一枡と花形の張り紙にした。なんだかすっかり新しい季節が到来した気分になった。 午後からは春一番の…

○爺ら登り八堂山の梅まつり (じいらのぼりはちどうやまのうめまつり) 西条へ観梅 八堂山の梅は白梅から紅梅へ移り替わるところであった。この日曜日に山の「梅まつり」は行われたようだ。夏の大雨で山崩れが生じたのか、山肌が削られていて散策の道に規制…

木の芽

○木の芽出るも気鬱生まるるきのう今日 (きのめでるもきうつうまるるきのうきょう) 芽立ちの頃 早くも春愁というのだろうか。春愁も秋愁も何故か一番に感じる方で、又それからの立ち直りも早いのである。折角なのだから十分に雰囲気を味わっておこう。 去年…

芽吹き

○今朝の雨優しく芽吹き促がせる (けさのあめやさしくめぶきうながせる) 不染鉄という画家 今日の新日曜美術館は「不染鉄」という日本画家であった。はじめて聞く画家である。東京小石川の小さな寺の後継ぎに生まれたらしいが、寺を飛び出して写生に行った…

日脚伸ぶ

○歯痛の頬さする一日に日脚伸ぶ (しつうのほほさするひとひにひあしのぶ) 今度は自分が 机の上に手鏡を置いて、自分の顔を見る。ポッコリ膨れ上がっているのは右の頬のはずなのに鏡には何故か左の頬にみえる。矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)一日見て過ご…

春の情

○雨滴こらへ枝膨らます春の情 (うてきこらええだふくらますはるのじょう) 膨らむ春 春の兆しは何でも膨らませることから始まるらしい。

春動く

○雄猫の長々と寝て春動く (おすねこのながながとねてはるうごく) 仕事を終えて 雌猫争奪戦に勝利した雄猫は余裕のリラックスである。毎年常時5,6匹は新しい命が誕生している猫御殿が近くにあるのだが、彼らが成長するにしたがって雄の争いが繰り広げら…

山茱萸

○山茱萸の花空耳に鈴の音の (さんしゅゆのはなそらみみにすずのねの) 稗つき節 宮崎県の民謡に「稗つき節」がある。 庭の山茱萸の木 なる鈴かけて 鈴の鳴るときや 出ておじゃれよ 鈴の鳴るときや 何と言うて出ましょ 駒に水くりょと 言うて出ましょ 哀調と…

ミモザ

○教室を覗くミモザの蕾かな (きょうしをのぞくへミモザのつぼみかな) ミモザの大木 ミモザの木はかなり高木になるので2階の窓にも届く。二階にある教室のアトリエの窓からもミモザの木が覗いていた。子どもがはしゃぐように賑やかなミモザはまだ静かにはじ…

雨水

○今日雨水歯痛の君が啜る粥 (きょううすいはいたのきみがすするかゆ) まめやの豆 鎌倉の「まめや」の豆を土産にもらって帰って来たが、ここの豆が好きで近所へのみやげにも買って帰ったのである。歯痛の君には豆どころではない、ついに歯医者行きとなった…

春興

○春興や手を出して本読むことも (しゅうこうやてをだしてほんよむことも) 「おらおらでひとりいぐも」 若竹千佐子の芥川賞作品を読んだ。

棒鱈

○棒鱈の乾き切ったる骸かな (ぼうだらのかわききったるむくろかな) 天日干しの鱈 ○棒鱈を擲つ金城さんの赫ら顔 秋甫 ○ぼうだらの棒の如くに立ってをり 々 ○棒鱈の反骨残る棚の隅 々 子供の頃棒鱈はよく食べた。特に正月のおせちにはこってりとした飴煮が重…

春来る

○春来ると神保町の古本屋 (はるくるとじんぼうちょうのふるほんや) マキャベリの食卓 以前に入ったことのある神田神保町の「マキャベリの食卓」というイタリア料理店はあったがクローズという札が掛けられていた。ランチタイムを終了していたのかもしれな…

良寛忌

○枯れ枝の書に風吹くや良寛忌 (かれえだのしょにかぜふくやりょうかんき) 良寛忌 2月15日は良寛が亡くなった日らしい。枯れ枝のような瓢々とした文字が頭をよぎる。 お世話になりました お天気に恵まれて最高の旅になりました 葉山の美術館(堀文子白寿…

バレンタインデー

○バレンタインデー新幹線の富士とチョコ (バレンタインデーしんかんせんのふじとチョコ) 富士山のプレゼント 新幹線の車窓に富士山があるといつも素敵なプレゼントをもらった気持ちになる。バレンタインのチョコもそんな気持ちだろうかと思う。 母親から聞…

梅の香

○梅の香や歌舞伎座の幕見に入りぬ (うめのかやかぶきざのまくみにいりぬ) 歌舞伎座の幕見 今日は地下鉄を使って銀座、築地、神保町辺りを歩く予定であった。きのう「はとバス」からみた歌舞伎座へ行って、幕見(昼の部)へ入れれば観てみたいと思っていた…

建国日

○「はとバス」に議事堂巡る建国日 (はとばすにぎじどうめぐるけんこくび) 丸の内南口 「はとバス」のステーションは丸の内南口の横ににあった。上はJRの線路が走っている狭いスペースにコースに分けて並んでいるバスステーションの控え場所は待ち時間の…

二ン月

○二ン月の旅に葉山の陽の光 (にんがつのたびにはやまのひのひかり) 新横浜にお迎え フォルクスワーゲンのお迎えで新横浜から葉山の神奈川県立美術館へ。 ○湘南の波見る人の春待つや ○湘南に白寿展観る丘の梅 堀文子の「白寿展」を観る。静かな充実感のある…

落第

○落第の子に胸撫でおろす親もゐて (らくだいのこにむねなでおろすおやもいて) 韓国冬季オリンピック開催 例えば私立の医学部など、現実には落第にほっとする親もいるのではないだろうか。その後の学資金などが大変である。我が家では娘を防衛医科大学の入…

冴え返る

○暁の鳥飛び立たせ冴え返る (あかつきのとりとびたたせさえかえる) 窓の外の杉 少しづつ夜明けが早くなってきているが、冷え込みは相変わらず続いている。朝から冬季オリンピックの開会式のタイムリミットを現地からの生放送でやっているが、当地も相当な…

余寒

○横須賀線逗子の地図見る余寒かな (よこすかせんずしのちずみるよかんかな) 葉山 ○葉山なる御用邸にも二月かな 今回の行ってみたい一つは神奈川県立近代美術館(葉山館)の堀文子「白寿展」である。描く世界に加山又造の女性版のようなものを感じている。…

寒戻る

○紙漉きの手元に添え湯寒戻る (かみすきのてもとにそえゆかんもどる) 寒漉 ○三椏のトロロと揺れて寒の漉き 秋甫 ○戻り寒湯気の高さの楮釜 々

春隣り

○春隣り大津が鬼の傘に雪 (はるどなりおおつがおにのかさにゆき) 春隣りに寒波 神奈川〜東京行きが決まった 2月11日(日) AM6:00’出発 神奈川県立近代美術館(葉山)堀文子白寿展 2月12日(月) AM9:50’東京駅南口集合「はとバス」にて 皇…

蛇のひげ

○蛇のひげに青眼をもてまねかれる (じゃのひげにせいがんをもてまねかれる) 龍の玉 中国に竹林の七賢人といって世の中から離れて自分の世界に遊んで居られる七人の方々があった。その一人に阮籍というお方が居て、かの人を訪ねて人がやってくると、阮籍は…

立春

○立春やディジタルでない景色見ゆ (りっしゅんやディジタルでないけしきみゆ) 暦の上の春(早春賦) 春は名のみの風の寒さや 谷の鶯歌は思えど 時にあらずと声も立てず 々 氷解け去り葦は角ぐむ さては時ぞと思うあやにく 今日もきのうも雪の空 々 春と聞…

柊鰯

○柊鰯見上げる猫も鬼の顔 (ひいらぎいわしみあげるねこもおにのかお) [節分 話は変わるが、82歳の女性のプログラマーが国連で講演をしている。高齢者が社会から孤立を防ぐためジィタル技術を身に付けることは大切。家族や異なる世代、さらに外国人との交…

青写真

○青写真遠い昔の忘れ物 (あおしゃしんとおいむかしのわすれもの) 製本が完成 青写真は触ったことがあるようなないような不確かな記憶であるが、日光写真は兄が石の上へ置いていたのを覚えている。青写真も日光写真も同じものらしい。それに冬の季語とあっ…

二ン月

○二ン月の雪降る日から始まりぬ (にんがつのゆきふるひからはじまりぬ) 雪降る日 里の雪はチラホラ、畑のうっすらと雪化粧した姿も午前中には消えてっしまったが、冷たい霙は幽かにいつまでも降っていた。 よく見ているブログの「一日一句 奈良暮しから」…