2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

男郎花

〇那谷寺の奇岩に遊ぶ男郎花 (なたでらのきがんにあそぶおとこえし) 那谷寺(なたでら) 「なたでら」読み方をすぐ忘れてしまうお寺であるが、山門を入った境内の景色が良かった

龍田姫

○東尋坊へ立てば袖ひく龍田姫 (とうじんぼうへたてばしでひくたつたひめ) 羽咋温泉泊まり ○短日のなぎさ千里の落暉かな 秋甫 ○サーファーのゐて波待てる秋の海 〃 〇秋落暉なぎさの轍走りけり 〃

月明り

〇鍵穴に旅の早発ち月明り (かぎあなにたびのはやだちつきあかり) 能登一周と北陸の旅 ○合掌の屋根に芒の届きけり 秋甫 ○秋桜も芒もありて合掌す 〃 ○合掌の郷に濁酒濃かりけり 〃

夜長

〇旅鞄風の夜長をまた開ける (たびかばんかぜのよながをまたあける)

虫の音

○地の闇にカリンバの音の虫合わせ (ちのやみにかりんばのねのむしああわせ) カリンバ アフリカの楽器。大きさは親指の爪で金の板棒をはじいて音をだすから、せいぜい両の掌くらい。モンゴルなどで口に糸を銜えて演奏するのに似た素朴な物。その音が邯鄲や…

葛の花

○いざなぎの山も隠すや葛の風 (いざなぎのやまもかくすやくずのかぜ) iいざなぎ景気 夕刻のニュースを聞いていると、「景気は緩やかな回復基調が58か月にわたってつづいていて、長さでは戦後2番目の「いざなぎ景気」を超えた可能性が高いという。

良夜

○家畳む話もぽつり良夜かな (いえたたむはなしもぽつりりょうやかな) 後期高齢者 京都にいる友人から久しぶりの電話。彼女は私と異なって四季の折々には電話かメールで私の無事を尋ねてくれる半世紀を越えた交友である。 彼女、今年ついに後期高齢者の仲間…

吾亦紅

○吾亦紅土手の上行く一輌車 (われもこうどてのうえいくいちりょうしゃ) Jr駅巡り 2010年10月は土讃線をめぐっていた。金毘羅駅から何駅か先に黒川という無人駅があって、周りには人家もなく駄々っ広い平野を二分するように鉄路のための土手は何の…

秋日傘

○秋日傘立てて芋掘る伊予美人 (あきひがさたてていもほるいよびじん) 伊予美人 近年は里芋のほとんどが伊予美人という品種になっているようだが、昔からこの辺は年ごとの植え付けを里芋と米と交互に栽培されている。戦後この地へ引き揚げてきたT家の叔母は…

彼岸花

○今朝伸びし暦どうりの彼岸花 (けさのびしこよみどおりのひがんばな) 見事な体内時計 今朝の散歩の道に今年初めての彼岸花を見た。そう言えば今日は彼岸の入りであった。 雨で勢いを増して葉を張ったキャベツ畑の畦に曼殊沙華の朱は目に彩やかである。 ○曼…

天高し

○凌霄の咲き残りてや天高し (のうぜんのさきのこりてやてんたかし) [To Anita How are you, Danny and Anita The other day,typhoon 18 landed inEhime-prefecture. But, it was fortunate that there was no damage from the typhoon. Many concerts and …

糸瓜忌

○横顔ですぐ子規さんと糸瓜の忌 (よこがおですぐしきさんとへちまのき) 子規忌 ○獺祭忌あるだけの菓子供えけり 秋甫 子規の健啖家は有名である。明治34年の仰臥漫録の9月19日には 9月19日 晴 便通 朝飯 粥三碗 佃煮 奈良漬 午飯 冷飯三碗 鰹魚のさ…

女郎花

○女郎花終にひとりの老女かな (おみなえしついにひとりのろうじょかな) 老人の日 ○反骨の頭もたげる敬老日 秋甫 このブログを書き始めたのは 2010年10月からだからもうすぐ満7年になる。案外と月日は経たないものである。仕事を辞めてから何事も1…

野分待つ

○早々と雨戸閉めきり野分待つ (はやばやとあまどしめきりのわきまつ) 台風のテロップ テレビは台風情報で一日済んでしまった。さすがに今日は虫たちも草の影にでもなりをひそめているのだろう。子供の頃のようにどこかで台風がやって来るのを待っているの…

虫すだく

○明日からの暴風雨域虫すだく (あすからのぼうふうういきむしすだく) 台風18号 また台風がやって来るらしい。一体どれだけのストレスに耐えよというのだろう。ミサイルと思えば今度は台風。虫たちはぎりぎりまで鳴いているのであろう。台風情報など見な…

鳳仙花

○鳳仙花爪ぬることもなく老いぬ (ほうせんかつめぬることもなくおいぬ) またミサイル Jアラートが北海道に鳴った。今回は3700㎞の飛翔距離の末太平洋上に落下したらしいが、角度を変えるとグアム島に到達する飛距離らしい。 Y君へ 漸く涼しくなりま…

イヌ蓼

○イヌ蓼や吾らイヌ人にやあらむ (いぬたでやわれらイヌびとにやあらむ)ヒト属 何かの固有名詞の前にイヌをつける時は、似ていても役に立たないもの、本物に対して偽物という定冠詞なのだ。人にイヌをつけられないように、人間的に精進しなければと、思う。…

新涼

○新涼やいつもの犬に今朝の道 (しんりょうやいつものいぬにけさのみち) 散歩の楽しみ 5時半に出ると、かの犬に逢うことができる。彼はもっと早く来ているのかもしれないが、校庭の西の道にはこの頃白い猫が現れるようになっていて、イヌは何やら白猫と親…

蟋蟀

〇灯を消せば蟋蟀の世に治まりぬ (ひをけせばこおろぎのよにおさまりぬ)) 障子の灯へ いよいよ秋が深まっている。夜は虫の声に辺りが占領されてしまうようである。テレビを点けていたら、障子の外に一匹だけ調子はずれな高い声を出す蟋蟀がいた。耳をかた…

蟷螂

○蟷螂の針金虫を産むさだめ (とうろうのはりがねむしをうむさだめ) カマキリの寄生虫 子供の頃、カマキリのお腹から焦げ茶色の細長いゼンマイのような物が出ているのを見たことはないだろうか。ずっとカマキリ自身の腸だと思っていたのである。 ところが針…

犬蓼

○犬蓼の首持ちあげて立ちにけり (いぬたでのくびもちあげてたちにけり) イヌタデ 柳蓼といのがあって、これが真蓼とか本蓼とよばれているものである。こっちの方は穂が垂れているのだ。なぜか草木にはイヌなどと頭に付けてよく似ているけどホンモノじゃな…

鰯雲

○エアーメール書いて局まで鰯雲 (エアーメールかいてきょくまでいわしぐも) (エアーメールのはがき) 鰯雲は見える限り空の果てまで覆っていた。すっかり秋の空になったと思う。

桐一葉

○桐一葉方丈にある生死かな (きりひとはほうじょうにあるせいしかな) 太陽フレア 太陽の黒点が爆発。実は黒点は常時爆発しているが今回(6日の分)のは特別容量が大きいのらしい。その磁気嵐は地球の磁場に影響を与え、GPSやインターネットなどの情報シス…

鶏頭花

○鶏頭花毎朝ここで犬に逢ひ (けいとうかまいあさここででいぬにあひ) 散歩中の犬 朝の散歩の途中、中学校の西の坂道で以前よく下からひょこひょこと上がってくるフリーな犬と出会った。我々は下へ降りる道順で、彼(犬)はいつも一瞬立ち止まって何か考える…

秋の蚊

○秋の蚊の窶れて声のなきを搏 (あきのかのやつれてこえのなきをうつ) To Anita(pumpkin) At the end of summer, the fields are full of pumpkins. A few pumpkins are rolling in my kitchen. Everyone got it from my neighborhood. There are also big …

芒梅雨

○芒梅雨遠き南の低気圧 (すすきつゆとおきみなみにのていきあつ) To Anita(thuder) How are you? When the season moves, thunder often falls in Japan. Many trees drop leaves and they return to the ground. soon the north wind will start to blow.…

露の玉

○一瞬のこの世を映す露の玉 (いっしゅんのこのよをうつすつゆのたま) 芋の露 はじめ、ころころと転がる芋の葉の露を思い浮かべていたのであるが、いつの間にかイメージの異なる露になってしまった。 宇宙の秩序は案外どこかの林の木の枝に作られた蜘蛛の巣…

唐辛子

○暮れなずむ畑に紅さす唐辛子 (くれなずむはたにべにさすとうがらし) 唐辛子 夏野菜のほとんどを提供仕終えた畑は産後の妊婦のように蔓も木も消耗し切ってうなだれている。例えいち早く秋野菜のための整地がされている畑でもちょっとした隅にそれはひっそ…

鈴虫

○鈴虫に背中押されて稿了へる (すずむしにせなかおされてこうおえる) [久々の徹夜 8月末日締め切りの未完現実への原稿がやっと完成した。少し前までは文章を原稿用紙に起こしてそれをポストに投函する手間がいったが、今は原稿用紙形態の文章をそのままメ…

二百十日

〇二百十日とげぬき地蔵拝む人 (にひゃくとおかとげぬきじぞうおがむひと) 二学期始め 「おはようございます」元気な声が庭の草を引いていた私の背中にかけられた。振り向くと3,4人の男の子が上の道を登校するところだった。どの子も二学期の始まりが嬉…