2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧
○稿終へて月映えわたる二月尽 (こうおえてつきはえわたるにがつじん)
○梅まつり紅白綱の行くように (うめまつりこうはくづなのいくように)
○獺祭自選の句集作りをり (だつまつりじせんのくしゅうつくりをり)
○遠嶺に今朝の斑雪の新しき (とおみねにけさのはだれのあたらしき)
○春思うマリオネットの糸切れて (はるおもうマリオネットの糸きれて)
○梅の香もちらりほらりに合格待つ (うめのかもちらりほらりにごうかくまつ)
○春寒し知らせなかなか来ないのも (はるさむししらせなかなかこないのも)
○春一番佳き知らせごと吹き飛ばす (はるいちばんよきしらせごとふきとばす)
○如月の今朝の風また尖りけり (きさらぎのけさのかぜまたとがりけり)
○戸の外は春一番の音ばかり (とのそとははるいちばんのおとばかり)
○荒鋤の土晒されて二月の田 (あらすきのつちさらされてにがつのた)
○野焼きの焔産土神に供へけり (のやきのひうぶすなかみにそなへけり)
○大試験満を持しをる深呼吸 (おおしけんまんをじしをるしんこきゅう)
○下萌えやパスカルの葦の隣に (したもえやパスカルのあしのとなりに)
○蕗の薹合否通知を待ってをり (ふきのとうごうひつうちをまってをり)
○二修会の火の粉走りてうおーと声 (にしゅうえのひのこはしりてうおーとこえ)
○ものの芽やパセリとわかる香をもてり (もののめやパセリとわかるかをもてり)
○雑巾に当番の日の薄氷 (ぞうきんにとうばんのひのうすごおり)
○沖晴れて入試の朝の余寒かな (おきはれてにゅうしのあさよかんかな)
○春寒しポケットの手と傘の手と (はるさむしポケットのてとかさのてと)
○祖母黒き田螺の身ぬく背戸ありし (そぼくろきたにしのみぬくせどありし)
○待春や写経の文字の柔らかき (たいしゅんやしゃきょうのもじのやわらかき)
○初午祭稲荷の狐コンと鳴く (はつうまさいいなりのきつねコンとなく)
○春近し吉凶の紙の一重に (はるちかしきっきょうのかみのひとえに)
○少年の瞳の奥の春立ぬ (しょうねんのひとみのおくのはるたちぬ)
○追儺豆夜這ひの猫にあたりけり (ついなまめよばひのねこにあたりけり)
○二月二日この確かさに春隣り (にがつふつかこのたしかさにはるどなり)
○冬安居明けて福井の僧来る (ふゆあんごあけてふくいのそうきたる) 永平寺の雲水 「永平寺の僧ですが、托鉢にお四国を回らせてもらっています。般若心経を唱えさせてください」と言って戸口に立った。1,2年に一度くらいは、お遍路さんがひょっこり戸を叩…