2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鉦叩

○わが庭の地味ものどうし鉦叩 (わがにわのじみものどうしかねたたき)

秋暑し

○痩せること願い叶わず秋暑し (やせることねがいかなわずあきあつし)

六斎の踊

○六斎の踊に悪鬼逃ぐる夜 (ろくさいのおどりにあっきにぐるよる)

爽籟

○爽籟のやがて野分となるところ (そうらいのやがてのわきとなるところ)

水澄む

○四光年先のお隣り水澄むや (よんこうねんさきのおとなりみずすむや) プロキシマ・ケンタウリ 太陽系に一番近いこの恒星の周りを約11日で公転している惑星(プロキシマb)が発見された。(8月25日ネイチャー発表)地球に似た環境を有しているようだと…

新涼

○新涼や引き出しの奥覗きをり (しんりょうやひきだしのおくのぞきをり)

無花果

○無花果や古の地の乳と蜜 (いちじくやいにしえのちのちちとみつ)

無花果

○無花果の熟れるを待てず乳に泣き (いちじくのうれるをまてずちちになき)

秋の蝉

○法師よりカナカナ哀し秋の蝉 (ほうしよりカナカナかなしあきのせみ

地蔵会

○地蔵会の地蔵も貰う福引券 (じぞうえのじぞうももらうふくびきけん)

夏終わる

○トウゴマの神の実赤き夏終わる (トウゴマのかみのみあかきなつおわる) 旧約聖書「ヨナ書」 神は暑い日差しの中、トウゴマの葉でできる日陰すらヨナから取り上げてしまわれた。

星月夜

○北狄の詩を読み終へし星月夜 (ほくてきのしをよみおへしほしづくよ) 若松丈太郎の詩集を買った。

吾亦紅

○停車時刻一つある駅吾亦紅 (ていしゃじこくひとつあるえきわれもこう)

初秋

○初秋や熟寝に覚めて悲しけり (はつあきやうまいにさめてかなしけり)

ツクツク法師

○ツクツクや欲ーしほーしと啼きにけり (つくつくやほーしほーしとなきにけり)

送り火

○送り火や流星降りて来たりけり (おくりびやりゅうせいふりてきたりけり)

敗戦日

○玉音や二歳の吾の敗戦日 (ぎょくおんやにさいのわれのはいせんび)

水母

○何億の水母の訴訟LED (なんおくのくらげのそしょうLED)

大昼寝

○背泳の映像を背に大昼寝 (はいえいのえいぞうをせにおおひるね)

熱帯夜

○熱帯夜重篤に臥す如き悪夢 (ねったいやじゅうとくにふすごときあくむ)

西日照る

○砂掻く子らに西日照る甲子園 (すなかくこらににしびてるこうしえん)

日盛り

○雀とて口塞がらぬ猛暑かな (すずめとてくちふさがらぬもうしょかな)

花火

○口癖の花火上がらず男逝く (くちぐせのはなびあがらずおとこゆく)

船虫

○船虫の逃げし亀裂の固さかな (ふなむしのにげしきれつのかたさかな)

薄荷

○傷つきし少年の山薄荷咲く (きずつきししょうねんのやまはっかさく)

茄子蕃茄

○茄子蕃茄サラダ記念日にして刻む (なすとまとサラダきねんびにしてきざむ)

稲の花

○稲の花昔々の子沢山 (いねのはなむかしむかしのこだくさん)

八月や

○煮えたぎる地獄の釜も八月や (にえたぎるじごくのかまもはちがつや)

入道雲

○天帝の怒り立つやう入道雲 (てんていのいかりたつやうにゅうどうぐも)

炎天

○炎天へ口をへの字に打って出る (えんてんへくちをへのじにうってでる)