2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧
○青梅や車の上にボンと落つ (あおうめやくるまのうえにボンとおつ)
○声を待つ窓に終日青葉雨 (こえをまつまどにしゅうじつあおばあめ)
○走り梅雨音もなく食むビスケット (はしりつゆおともなくはむビスケット)
○パンの黴ナイフに削る朝かな (ぱんのかびナイフにけずるあしたかな)
○屋根の上の猫の薄目に燕の子 (やねのえのねこのうすめにつばめのこ)
○青梅や塩か砂糖と焼酎か (あおうめやしおかさとうとしょうちゅうか)
○島国のそのまた島の夏の雨 (しまぐにのそのまたしまのなつのあめ)
○冷奴可もなく不可もなく愛されし (ひややっこかもなくふかもなくあいされし)
○少年の自転車はやし青田道 (しょうねんんのじてんしゃはやしあおたみち)
○朝夕をぎいぎい啼きて巣立ちをり (あさゆうをぎいぎいなきてすだちをり)
○田の蛙夜ごとの恋の悩ましき (たのかえるよごとのこいのなやましき)
○ぼんやりと朗読聞けり薄暑の夜 (ぼんやりとろうどくきけりはくしょのよ)
○子燕にいろはのゐなら青い空 (こつばめにいろはのゐならあおいそら )
○不如帰泳いで行ける島の距離 (ほととぎすおよいでいけるしまのきょり)
○夏薊海賊島の百地蔵 (なつあざみかいぞくじまのひゃくじぞう)
○横綱の肩すかしあり五月場所 (よこづなのかたすかしありごがつばしょ)
○田水入り小田の蛙の声大きい (たみずいりおだのかえるのこえおおきい)
○田の蛙腕時計もてコンダクタト (たのかえるうでどけいもてコンダクト)
○柿若葉蹲のある廃家かな (かきわかばつくばいのあるはいかかな)
○囀りや道祖神から起こし来よ (さえずりやどうそじんからおこしこよ)
○少年の心の奥の木下闇 (しょうねんのこころのおくのこしたやみ)
○柿若葉碁置く指の美しき (かきわかばいしおくゆびのうつくしき)
○風の日の傷つき易き新樹たち (かぜのひのきずつきやすきしんじゅたち)
○母の日や金平糖と京の酒 (ははのひやこんぺいとうときょうのさけ)
○葉桜に空隠されて息詰まる (はざくらにそらかくされていきつまる)
○夏帽子父母呼びに行く畦つたい (なつぼうしふぼよびにいくあぜつたい)
○電線に並んでデビュー子供の日 (でんせんにならんでデビューこどものひ)
○麦嵐抗う鴉添ふ鴉 (むぎあらしあがらうからすそふからすう)
○青嵐城の鯱知らないか (あおあらししろのしゃちほしらないか)
○火炙りの鰹は串に刺されをり (ひあぶりのかつをはくしにさされおり)