2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

◦筍の仕舞い貰って節長し (たけのこのしまいもらってふしながし)

昭和の日

◦バリ島に日本橋朽つ昭和の日 (バリとうににほんばしくつしょうわのひ)

昼の蝶

◦時差惚けや瀬戸行く船に昼の蝶 (じさぼけやせといくふねにひるのちょう)

春惜しむ

◦関空に別れる人や春惜しむ (かんくうにわかれるひとやはるおしむ」

常夏

◦常夏のマンゴーパパイヤ椰子ばなな (とこなつのマンゴーパパイヤやしばなな)

バリの夜

◦少年のケチャックダンスバリの夜 (しょうねんのケチャックダンスバリのよる)

雨期明け

◦雨季明けてボロブドゥールに寝釈迦山 (うきあけてボロブドゥールにねしゃかやま)

春の夜

◦春の夜やトランジットの時差加減 (はるのよるトランジットのじさかげん)

春の旅

◦関空の橋から始む春の旅 (かんくうのはしからはじむはるのたび)

長鹿尾菜

◦潮満ちて藻に生き返る長鹿尾菜 (しおみちてもにいきかえるながひじき)

囀り

◦囀や今日食ふことの始まれり (さえずりやきょうくうことのはじまれり)

春潮

◦春潮へ蛸壺投げて船戻る (しゅんちょうへたこつぼなげてふねもどる)

葱坊主

◦葱坊主新入の子の服が行く (ねぎぼうずしんにゅうのこのふくがいく)

番蝶

◦午後晴れて番いの蝶の急ぎおり (ごごはれてつがいのちょうのいそぎおり)

春の旅

◦地球儀を回して指に春の旅 (ちきゅうぎをまわしてゆびにはるのたび)

朝寝

◦朝寝して雨にくぐもる鳩の声 (あさねしてあめにくぐもるはとのこえ)

いかなご漁

◦暁やいかなご漁を枕辺に (あかつきやいかなごりょうをまくらへに)

春禽

◦春禽の呼び交ふ声に雨つづく (しゅんきんのよびかうこえにあめつづく)

春愁

◦春愁やピエロの頬の付け泪 (しゅんしゅうやピエロのほほのつけなみだ)

花一華

◦カタカナを拒みし母に花一華 (カタカナをこばみしははにはないちげ)

勿忘草

◦十代を勿忘草の空の色 (じゅうだいをわすれなそうのそらのいろ)

たんぽぽ

◦たんぽぽの穂や妹が先に往き (たんぽぽのほやいもうとがさきにいき)

花冷え

◦花冷えや極みて山を白くする (はなびえやきわみてやまをしろくする)

春の夢

◦鐵を鍛つ漢となりぬ春の夢 (てつをうつおとことなりぬはるのゆめ)

菜種梅雨

◦濡れ靴の脱がれし儘に菜種梅雨 (ぬれぐつのぬがれしままになたねつゆ)

◦蛙鳴き今朝明らかな季を知る (かえるなきけさあきらかなときをしる)

夜桜

◦月蝕や夜桜の灯を消してゆく (げっしょくやよざくらのひをけしていく)

◦霾に弄ばれし狸かな (つちふるにもてあそばれしたぬきかな)

花曇り

◦加齢なる目鼻耳喉花曇り (かれいなるめはなみみのどはなぐもり)

四月馬鹿

◦猫の仔の認知迫まらる四月馬鹿 (ねこのこのにんちせまらるしがつばか)