2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧
◦猫の四肢しなやかに伸ぶ四温かな (ねこのしししなやかにのぶしおんかな)
◦受験子の靴底にある滑り止め (じゅけんしのくつぞこにあるすべりどめ)
◦三寒の海より山の引きしまる (さんかんのうみよりやまのひきしまる)
◦寒雀の老ひ惚けてや踊りけん (かんじゃくのおいほうけてやおどりけん)
◦笹鳴きに誘われ入る桃源郷 (ささなきにいざなわれいるとうげんきょう)
◦道迷う夢より覚めて葱きざむ (みちまようゆめよりさめてきねぎきざむ)
◦深々と長き腕や蓮根掘り (ふかぶかとながきかいなやはすねほり)
◦キャンパスの林檎七つと薪暖炉 (キャンパスのりんご七つとまきだんろ)
◦寒日和「死に支度」なる本買ひぬ (かんびより「しにしたく」なるほんかいぬ
◦言い訳の反故を重ねる寒の雨 (いいわけのほごをかさねるかんのあめ)
◦霜雪の川流汲めよ薪拾わむ (そうせつのせんりゅうくめよたきぎひろわむ)
◦大寒やネットの本をクリックす (だいかんやネットのほんクリックす)
◦ふぐでもすっぽんでもない葱雑炊 (ふぐでもぞうすいでもないねぎぞうすい)
◦大荒れはこの時季のこと大試験 (おおあれはこのときのことおおしけん)
◦薄氷割り震災忌思い出す (うすごおりわりしんさいきおもいだす)
◦左義長の悪書上らず燻りぬ (さぎちょうのあくしょあがらずくすぶりぬ)
◦どんど炎やユダヤの民は山羊捧ぐ (どんどびやユダヤのたみはやぎささぐ)
◦湯豆腐の癒しに馴れぬ器官あり (ゆどうふのいやしになれぬきかんあり)
◦人の道を熊きて帰るけもの径 (ひとのみちをくまきてかえるけものみち)
◦凍て瀧や識ることは溶かすことかも (いてだきやしることはとかすことかも)
◦この地球が二つあっても雪の嶺 (このほしが二つあってもゆきのみね)
◦又造の雪の荒野に八咫烏 (またぞうのゆきのこうやにやたがらす)
◦煮凝りや片身の鰈琥珀にす (にこごりやかたみのかれいこはくにす)
◦白梅や昔々の牛の背な (しらうめやむかしむかしのうしのせな)
◦芹薺天寿の人の葬閑か (せりなずなてんじゅのひとのそうしずか)
◦悉く喰い尽くしてや寒の入り (ことごとくくいつくしてやかんのいり)
◦初競りや寅河豚落とす袋競り (はつぜりやとらふぐおとすふくろぜり)
◦雀らの欣喜雀躍事はじめ (すずめらのきんきじゃくやくことはじめ)
◦初鳩を入れて翳りぬ日の障子 (はつばとをいれてかげりぬひのしょうじ)
◦初日の出十五万石の俳都哉 (はつひので十五万石のはいとかな)