2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

若芽

◦若芽汁わかめに椀の潮かな (わかめじるわかめにわんのうしおかな)

昭和の日

◦旗立ててお子さまランチに昭和の日 (はたたてておこさまランチにしょうわのひ)

春潮

◦春潮や苫屋も旅の途中かな (しゅんちょうやとまやもたびのとちゅうかな)

◦どの家も筍の皮入れるゴミ (どのいえもたけのこのかわいれるごみ)

早蕨

◦早蕨の吾子の癖毛のごと出ずる (さわらびのあこのくせげのごといずる)

明け易し

◦明け易し漁船の音の港まで (あけやすしぎょせんのおとのみなとまで)

◦春やむかし煙草の燻る喫茶店 (はるやむかしたばこのくゆるきっさてん)

◦「再会」は珈琲館の名とて春 (さいかいはコーヒーかんのなとてはる)

春の宵

◦ミューズなる茶店に待てる春の宵 (ミューズなるさてんにまてるはるのよい)

春はゆく

◦故郷にバリケードして春はゆく (ふるさとにバリケードしてはるはゆく)

春深し

◦無頼派の昔のアジト春深し (ぶらいはのむかしのアジトはるふかし)

紫木蓮

◦隣にもホームの迎へ紫木蓮 (となりにもホームのむかえしもくれん)

菜種雨

◦天の幕降ろしてひと日菜種雨(てんのまくおろしてひとひなたねあめ)

番蝶

◦花よりも青菜に靡く番蝶 (はなよりもあおなになびくつがいちょう)

うららか

◦うららかや黄蝶は黄蝶おいかけて (うららかやきちょうはきちょうおいかけて)

茎立ち

◦茎立ちや大根の宴会真っ盛り (くきだちやだいこのえんかいまっさかり)

明け易し

◦四五隻のいかなご漁の明け早し (しごせきのいかなごりょうのあけはやし)

石南花

◦石南花に佇てば歩荷の影高し (しゃくなげにたてばぽっかのかげたかし)

春霞

◦ガルーダの翼に乗れば鳥曇り (ガルーダのつばさにのればとりぐもり)

春の犬

◦遺骨抱くわれを匂うや春の犬 (いこつだくわれをにおうやはるのいぬ)

花祭

◦ティカつけてカーリー女神の花祭 (ティカつけてかーりーにょしんのはなまつり)

養花天

○遺骨捨つポカラの湖に養花天 (いこつすつポカラのうみにようかてん)

春の蠅

◦牛の背のアンナプルナや春の蠅 (うしのせのアンナプルナやはるのはえ)

春埃

◦春塵や笛売りが吹く鳩ポッポ (しゅんじんやふえうりがふくはとポッポ)

石南花

◦少年の石南花くれし裸足かな (しょうねんのしゃくなげくれしはだしかな)

春風

◦春風や回して重きマニ車 (はるかぜやまわしておもきマニぐるま)

雉子鳴く

◦雉子鳴いて今ヒマラヤの夕焼る (きじないていまヒマラヤのゆうやける)

養花天

◦養花天すがめに仰ぎ大往生 (ようかてんすがめにあおぎだいおうじょう)

桜鯛

◦俎板に恋の色かな桜鯛 (まないたにこいのいろかなさくらだい)

四月馬鹿

◦心底の本音を言いて四月馬鹿 (しんそこのほんねをいいてしがつばか)